社外取締役メッセージ

※2021年11月のメッセージを掲載しています。

社外取締役メッセージ
社外取締役 岡本 圀衞

近鉄グループの特長を活かし、豊かな社会に貢献を 社外取締役 岡本 圀衞

恵まれた観光資源を活かしつつ、社会への貢献を果たす

 私は歴史に関心があり、若い頃、大阪で勤務していた時、休日になると近鉄を利用して、奈良や京都によく小旅行をしていました。時を経て現在、社外取締役として経営に携わっていますが、沿線が歴史文化や自然の宝庫であることが、大きな魅力であると感じています。今はコロナ禍で甚大な影響を受けていますが、観光立国を目指す日本において、沿線の豊かな観光資源を活かしてインバウンドの方を含め誘客していくことが、近鉄グループの重要なテーマと捉えています。
 一方、沿線が広いということは、人口集積が多い地域ばかりではなく、経営面ではマイナスの要因ともなります。しかし、鉄道は社会の公器であり、収益性との兼ね合いに配慮しながら、社会のために役割を果たし続ける必要があります。そのために3つの点に留意すべきと考えています。
 一つ目はSDGsです。全世界的な課題としてSDGsに掲げられた17のテーマの中で近鉄グループとして特にどの点に寄与していくかを役員および社員一同が共有し、努力することが大切です。とりわけ気候変動やDX等は今日的に重要な課題ですので、率先して取り組んでいかねばなりません。
 二つ目はCS、お客さま満足です。通り一遍のお客さま満足への取組みにとどまらず、他社と比べて、特にどこにポイントを置いてお客さまを大切にしているか、はっきりさせる必要があります。
 最後にES、従業員満足です。経営陣が夢を語り、従業員が熱い思いをもって頑張るという、いわば経営陣・従業員双方の固い絆があって、CSの向上にもつながっていくのだと思います。

グループ経営は独立と連携のバランスが必要

 人口減少のもとで事業をどう進めるかは大きな課題です。まず、やはり観光への注力です。国内外問わず観光客にお越しいただくことが、近鉄グループのビジネスチャンスとなります。また、沿線住民の方に対しては、ワンストップで近鉄グループに生活の全てをお世話になろう、という厚い信頼をお持ちいただけるような戦略が大切です。様々な機能が集積しているあべのハルカスは、天王寺を基点に関西中南部の生活のクオリティアップに貢献しており、こうした取組みを広げる必要があります。
 そこで大切になるのがグループ経営です。人口減少、少子高齢化が進む中、事業間の連携が極めて重要です。一方で、近鉄グループは、特性が異なる幅広い業界にわたっていることから、各業界で競争し優位に立つためには、事業ごとに独立して強くなる必要があります。ホールディングス体制のもと、グループ化と独立性のバランスをいかにとり、効率的・効果的なグループ経営を実現していくかが大切です。

社外取締役として、第三者視点で経営に貢献

 社内だけではどうしてもその会社固有の論理で動いてしまいがちですが、私は社外取締役の立場から、これまで培ってきた見地や価値観を踏まえ、できるだけ第三者視点で経営に関する提言をすることを心がけています。その際、今の社会が求めていることをベースにするとともに、私自身、金融機関に身を置いてきた経験を踏まえ、事業の健全性やリスクの面からの発言を中心に行っています。
 取締役会の議論を通じて、社会に貢献し続ける近鉄グループであるよう働きかけていきます。

社外取締役メッセージ
社外取締役 片山 登志子

沿線の人々から愛される企業グループとしての特長を活かした経営の強化に貢献したいと考えます 社外取締役 片山 登志子

長期的な視点から、くらしのあり方に対する提案が重要

 私は弁護士としての専門的な知見を踏まえて、近鉄グループの中長期的な持続的成長に資する提言を行うことが重要と思っています。特に消費者と共創・協働して近鉄グループの多様な事業の社会的価値を向上させる経営、すなわち消費者志向経営が私の専門分野の一つであることから、消費者と企業との双方向のコミュニケーションに基づいた新たな気づきを経営判断の場にもたらしたいと考えています。
 近鉄グループの特長として、移動、住、⾷、観光など全ての面で人々の生活を支えており、沿線住民から長年にわたり愛されてきた企業グループであることが挙げられます。その役割を果たすべく、コロナ禍においても財務や経営の健全性を確保するための意思決定を取締役会が迅速に行っていることが評価されます。
 近鉄グループにおける今後の課題としては、コロナ禍がなおも続くと予想され事業環境が見通しにくい中で、消費者の生活の変化に寄り添い、企業グループとしての特長、強みをさらに高めていくことが挙げられます。沿線住民のくらしに密着した存在として、消費者ニーズに応えていくとともに、他方で、地球環境問題への対応も含めた社会全体の将来を見すえて、長期的な視点からくらしのあり方を提案していくことが求められています。人々が将来に対して夢を持つことができ、時代の先々にわたって安心してくらすことができる沿線地域を創出していくことが重要な課題だと思います。

「共創による豊かな社会の実現」に向けた取組みに期待

 そのために、近鉄グループとして取り組むべきことは、消費者志向経営の追求であると考えます。従来、企業の多くはマーケティング活動の一環として顧客の声を聴くモニター制度などを行ってきましたが、消費者の満足と信頼を得るためには、消費者との本音での話し合いを通じた双方向のコミュニケーションを重視すべきです。具体的には、少人数での対話の場や消費者とのあらゆる接点を通じて、消費者と企業がお互いの考えをもっと知り、納得するまで話し合いを行い相互理解を深めていくというものです。時には意見が対立することもありますが、対話を重ねる中で、互いに新たな気づきを得るとともに、これからの社会のありようや真の豊かさについて一緒になって考え、答えを導き出し、協力して新しい豊かな社会の創造を目指すところに価値があります。
 その点、近鉄グループでは中期経営計画に「共創による豊かな社会の実現」を掲げており、私が重視している消費者志向経営の実践に向けて、大いに期待をしているところです。加えて、時代の変化が加速する中で、社会課題に一企業だけで対応していくのは難しい時代となっています。そのため、消費者をはじめ、外部の企業や自治体など幅広いステークホルダーとの連携・協働が不可欠です。
 今後、コーポレートガバナンスにおいて社外取締役の重要性が増す中、責任の重さを理解した上で、取締役会のさらなる活性化に向けた貢献などを通じて、使命をしっかり果たすことで、近鉄グループの企業価値の向上に努めてまいります。

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