駅・列車運行における安全対策
新型コロナウイルス感染症の感染・拡大防止に対する対応( 近畿日本鉄道㈱ )
近畿日本鉄道㈱では、新型コロナウイルス感染症に関する感染予防および感染拡大の防止のため、「鉄軌道事業者における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン」を踏まえ、以下の取組みを行っています。また、感染拡大の防止と発生時の迅速な対応を目的に本社内に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置しています。
近鉄電車をご利用のお客さまに対する主な取組み
- 列車内の空気を入れ換えるため、換気装置を作動させるとともに、窓開けも実施しています。
- 改札口や乗車券発売窓口等にビニールシートなどを設置しています。
- エスカレーター、階段手すり、お客さま トイレなど駅構内の施設・設備を定期消毒しています。
- 主要駅にアルコール消毒液を設置しています。


社員における主な取組み
- 全従業員の勤務中のマスク等の着用、手洗い・アルコール消毒を徹底しています。
- 出勤前・出勤時の検温、出勤時の体調確認など従業員の体調管理を徹底しています。
- 職場において、手の触れる主な箇所を毎日消毒しています。

全車両の抗ウイルス・抗菌加工の実施( 近畿日本鉄道㈱ )
近畿日本鉄道㈱では、2020年8月、お客さまにより安心して鉄道をご利用いただくために、全車両(約1900両)を対象として車内全体に、効果が持続する抗ウイルス・抗菌加工を実施しました。お客さまが手を触れる箇所(つり革、手すり、シートなど)をはじめ、全体に噴霧することでコーティングします。本抗ウイルス・抗菌加工は、SIAA(抗菌製品技術協議会)の安全性基準に適合しており、施工車両には、SIAAマークを表示しています。なお、鉄道車両で、SIAAマークを表示するのは初めてとなります。
※SIAA(抗菌製品技術協議会)は、経済産業省ガイドラインにのっとって運営され、適正で安心できる抗ウイルス・抗菌・防カビ加工製品の普及を目的とし、メーカー、試験機関が集まってできた団体で、SIAAマークは、SIAAガイドラインで品質管理、情報公開された製品に表示されています。


駅・車両のバリアフリー化( 近畿日本鉄道㈱ )
沿線の主要駅では改札口からホームまでの段差を解消し、円滑に移動できるようにエレベーターおよびスロープ等の整備を進めています。これらは「バリアフリー法」に基づいて行っています。
また、車両内に車いすスペースを設置するほか、転落防止用幌は先頭車を除いて100%の設置率で、車両連結部転落防止用注意放送装置は188編成(全体の38%)、車内案内表示は944両(全体の49%)に設置しています。(2021年3月31日現在)


駅を快適にご利用いただけるように
施設および設備 | 設置状況 |
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車いす対応トイレ | 165 駅 |
うち多機能トイレ | 149 駅 |
●車いす対応トイレ化
(2020年度:伊賀神戸駅、河堀口駅、平田町駅、江戸橋駅)
(2019年度:前栽駅、東山駅、布忍駅、川西駅、高見ノ里駅、桜駅、戸田駅、五十鈴川駅)
(2018年度:二階堂駅、菜畑駅、阿倉川駅)
(2017年度:霞ヶ浦駅)
(2016年度:近鉄下田駅、伊勢若松駅、川原町駅)
●多機能トイレ(オストメイト対応型)化
(2020年度:伊賀神戸駅、河堀口駅、平田町駅、江戸橋駅、伊勢田駅)
(2019年度:前栽駅、東山駅、布忍駅、川西駅、高見ノ里駅、桜駅、戸田駅、五十鈴川駅、坊城駅)
(2018年度:寺田駅、二階堂駅、菜畑駅、阿倉川駅)
(2017年度:長瀬駅、弥刀駅、霞ヶ浦駅)
(2016年度:近鉄下田駅、平端駅、伊勢若松駅、川原町駅、鳥羽駅、鵜方駅、吉野駅)
(2015年度:久津川駅、尺土駅)
(2014年度:桑名駅)
(2013年度:恵我ノ荘駅、河内天美駅、二上駅)
車いす利用の方をはじめ、全てのお客さまがスムーズに移動できるように
施設および設備 | 設置状況 |
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エレベーター | 130 駅 |
エスカレーター | 81 駅 |
※全280 駅のうち251 駅で、駅構外からホームまで段差なしで移動できます。
●エレベーターを設置
(2020年度:五十鈴川駅、高見ノ里駅、伊勢田駅)
(2019年度:前栽駅、東山駅、布忍駅、坊城駅、川西駅、桜駅)
(2018年度:寺田駅、菜畑駅、阿倉川駅)
(2017年度:真菅駅、富野荘駅)
(2016年度:近鉄下田駅、伊勢若松駅)
(2015年度:平端駅、尺土駅、伏屋駅)
(2014年度:桑名駅、川原町駅、大阪教育大前駅、河内天美駅)
(2013年度:尼ケ辻駅)

目の不自由なお客さまが安全に利用いただけるように
施設および設備 | 設置状況 |
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誘導チャイム | 130 駅 |
※このほか階段手すりへの点字シールの設置も進めています。
耳や言葉の不自由なお客さまのために
施設および設備 | 設置状況 |
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FAXサービス | 21 駅 |
※主要な駅営業所等で取扱っています。
※各項目とも、鋼索線駅(6駅)を除く全280駅を対象。(2021年3月31日現在)
お声かけと見守り
目の不自由なお客さまへの社員による可能な限りのお声かけ、見守り等について、教育資料を活用して全社的に取り組んでいます。また、放送、ポスター等によりお客さまへのご協力をお願いしています。

改札口見守りシステム( 近畿日本鉄道㈱ )
近畿日本鉄道㈱では、2021年7月から大和西大寺駅において、改札口を通過される白杖や車いすをご利用のお客さまを、カメラ画像を通してAIが自動判別し、駅係員に自動通知する「改札口見守りシステム」の実証実験に取り組んでいます。

先端技術を活用した取り組み「近未来ステーション」( 近畿日本鉄道㈱ )
近畿日本鉄道㈱では、多様化するお客さまのニーズや将来予想される働き手不足に対応するため、先端技術を活用した新しい駅運営のあり方を、「近未来ステーション構想」として検討を進めています。2021年4月にリニューアルを進めている大和西大寺駅において、「大型マルチディスプレイ」を利用したお客さま案内を導入するとともに、AIを活用した「案内ロボット」や、車いすなどを利用される方の「改札口見守りシステム」などの実証実験に取り組んでいます。今後も、お客さまへのサービスや安全性の向上、駅係員の業務負担軽減及び効率化を図っていきます。

非常通報装置
ホームにおいて、お客さまが線路へ転落されるなど、不測の事態が発生した場合、ホームに設置した非常通報ボタンを押して、乗務員に異常を知らせるものです。列車との接触事故を少なくする目的で設置しています。



内方線付き点状ブロック
ホームの縁端を警告する「黄色い線」(点状ブロック)は、全駅で整備が完了し、さらにホームの内外方を判別するための内方線の整備を進めています。●年●月、利用者3,000人以上の全駅での整備が完了しました。

監視カメラ(ITV)
車掌が扉を操作する際に安全を確認するカメラ(ITV)を設置しています。

ホームドアの設置
大阪阿部野橋駅の3番線、4番線乗車ホームにおいて、昇降ロープ式ホームドアを設置しています。


扉誤扱い防止支援装置
列車がホームを行き過ぎた時や、ホームがない側の扉を操作した時など、ワンマン列車の運転士が、ホームが無いにも関わらず誤って扉を操作した場合には、車両に取り付けたホームセンサーがホームの有無を検知し、扉が開かないようにします。


新型踏切障害物検知装置( 近畿日本鉄道㈱ )
踏切障害物検知装置とは、車等が立ち往生や脱輪した際に支障を検知し、表示灯および防護無線を発信させ、運転士に踏切支障を知らせる装置です。従来型は直線で配列したセンサー間を通った物体を検出する方式でしたが、新型は平面式レーザーセンサーから発出されたレーザーが踏切内の対象物を照査する方式で、従来型より検知可能な範囲が広くなります。

列車運行管理システム
運転指令業務の近代化と信号扱いの自動化を目的とした列車運行管理システムを導入し、現在は、ほとんどの線区で運用しています。このシステムでは、列車運行状況の監視・ダイヤ管理・運転整理のほか、各駅の進路制御・案内制御などを行っています。
大阪総合指令室
列車運行管理、車両運用、運行情報配信、電力管理、夜間作業管理等に関する大阪地区各指令所をワンフロアに集約した大阪総合指令室を設けています。災害時等に設置する対策本部を同フロアに配置することで、危機管理対応能力の向上を図っています。
2020年6月、南大阪線系の運転指令を大阪総合指令室内に移転・統合することにより、大阪地区の各指令業務を集中化し、指令間の連携強化、保安度およびお客さまのサービス向上を図りました。


運輸安全マネジメント優良事業者として国土交通大臣表彰を受賞
~「運転士支援システム」の活用と展開についての功績に対して~
近畿日本鉄道㈱は、運輸事業の安全に関する優良な取組みを行った事業者として、2018年10月、「国土交通大臣表彰」を受賞しました。これは、2008年3月から導入している「運転士支援システム」について、その開発及び導入による乗務員の運転リスク低減と、同システムの他事業者への展開についての功績が評価されたもので、鉄道事業者として全国初の表彰となります。運転士支援システムは、GPSを利用して列車の位置特定を行い、その位置情報により音声や発光表示等の方法で運転士に対し運転支援(列車種別確認、編成両数確認、停止位置確認等の注意喚起)を行うもので、近鉄車両エンジニアリング㈱と共同開発したものです。また、津波浸水区域や徐行区間走行に対する注意喚起を行うほか、通信機能を活用して事故現場等の画像を伝送する機能もあります。

(列車種別確認、編成両数確認)




携帯型放送装置(多言語対応)
車掌が使用する携帯型放送装置(多言語対応)は、日本語、英語での放送を基本として、中国語、韓国語の放送も搭載しています。同装置は行先、停車駅案内のほか、どちらの扉が開くかなどの情報提供も行っているため、担当車掌は入駅前に車側の安全確認に専念できるなど業務の軽減につながり、安全・安心の確保に役立っています。

