鉄道事業の災害対策

緊急地震速報システム

地震が発生した場合、気象庁の地震観測網から得られた地震発生情報を即座に走行中の列車に伝達する「緊急地震速報システム」を導入しています。
このシステムは、地震の大きな揺れが到達する数秒~数十秒前に気象庁より配信される緊急地震速報データ(大きな揺れが到達するまでの時間や規模等の情報)を運転指令室において受信し、走行中の列車に対して音声メッセージを自動的に通報することにより、被害の最小化を図るものです。

緊急地震速報システム 地震発生時の概要図

地震計システム

地震発生時、走行中の列車に対して的確な指示を行うため、鉄道沿線の12ヶ所に設置した地震計を用いて必要とする箇所の震度情報を収集し、地震警報表示盤で表示および警報を鳴動させます。この情報をもとに、震度4以上の地震が発生したときは、自動的に指令無線により、運転指令から走行中の列車に対して停止指令を通報できるよう、地震情報通報装置も設置しています。また、震度の大きさに基づく運転規制や線路点検については、当社地震計の後に発表される気象庁の震度情報を基に実施します。

地震警報表示盤地震警報表示盤

南海トラフ地震に備えて

南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に対応し、「南海トラフ地震防災対策計画」を策定しています。これらに基づき全社員が連携して対応する手順を定めたマニュアルを整備し、適宜、教育・訓練を実施することにより、大規模地震に備えています。また、南海トラフ地震や異常気象を観測した場合、気象庁から発表される臨時情報についても、マニュアルを定めて対応しています。なお、2018年6月18日に発生した「大阪北部地震」を受けて、より円滑なお客様の避難誘導方法等について見直しを検討しています。

関西地区における津波対策

地下線のうち大阪難波駅~近鉄日本橋駅付近までが浸水することを想定して、列車や駅からの避難計画を策定しています。本計画では、お客様を地下で接続するビルや地上に誘導します。

東海地区における津波対策

三重県・愛知県内の路線では、津波が襲来した場合、お客様と当社係員を津波被害から守るため、自治体が作成した津波浸水予測図等を参考に、「津波発生時の避難地図」を作成し乗務員等へ配付しています。
この地図には、公共避難所および当社が定めた緊急避難場所、それぞれの避難場所の標高などを記載しています。また、お客様が円滑に避難できるよう線路内に避難方向を示す、緊急避難誘導標(始端標・終端標・指示標)を設置しています。

津波発生時の緊急避難場所地図(津駅周辺)津波発生時の緊急避難場所地図(津駅周辺)
終端標終端標
指示標指示標
指示標指示標

雨量システム

法面(切土や盛土により作られた人工的な斜面)災害に対する運行安全確保のため、降雨量に応じた運転規制を行っています。このため、沿線各地に雨量計を設置するとともに、他の雨量情報も収集して、局地的な大雨にも対応可能なシステムを導入しています。
なお、2018年度は、前年の台風による降雨被害を踏まえ、規制を一部強化し、一層の運行安全確保に努めています。

雨量システム雨量システム

風向風速計

風向および風速を計測する装置で、発信器は、駅のほか橋りょう、高架区間などの強風区間に設置しています。強風時には、運転規制をかけ、列車の安全運行に努めています。

風向風速監視システム画面風向風速監視システム画面
発信器風向風速計(発信器)

列車に火災が発生した場合

列車乗務員は、走行中の列車に火災が発生した時は、直ちにパンタグラフを降下し、地形を考慮(トンネル内、橋の上等は避ける)して停止させ、お客様を火災発生車両以外の安全な車両に移動していただくなどの避難誘導を行います。

車内の安全設備

車内に消火器、車内通報装置等を設置しているほか、事故災害・トラブル等により駅間で停車した場合等に、お客様に安全に降車していただくため、避難はしごを搭載しています。

安全への取り組み(車両)消火器と車内通報装置
組み立て後の避難はしご組み立て後の避難はしご

事故・災害時の情報ツール

事故・災害時の情報ツールとして、津波危険区域を走行する車両には、乗務員津波情報入手用携帯ラジオを備え付けています。また、業務用携帯電話を各駅に配付するとともに、乗務員にも所持させています。

乗務員津波情報入手用携帯ラジオ乗務員津波情報入手用携帯ラジオ
業務用携帯電話業務用携帯電話

ダイヤ乱れ時の運行情報の提供( 近畿日本鉄道㈱ )

近畿日本鉄道㈱は、悪天候や事故等によりダイヤが乱れた際に、お客様へより迅速でわかりやすく運行情報をお伝えするために、2016年12月13日より、スマートフォンアプリ「近鉄アプリ」を開設して「運行情報のプッシュ通知サービス(※)」を開始しています。また2017年6月1日より、14路線において個々の列車の走行位置や遅れ時分を表示する「列車走行位置提供」サービスを開始しています。さらに2018年3月17日からは、あらかじめ登録した特急列車の走行位置と遅れ時分を表示する「お気に入り特急」サービスを開始しています。
この他、運行状況をお知らせする情報配信ディスプレイの設置駅の増設(全75駅)や駅係員がホーム等で運行情報をご案内するためのタブレット端末の設置(全55駅)を行う等、情報提供の充実を図っています。
(※)「運行情報のプッシュ通知サービス」とは、あらかじめ登録した路線に30分以上の遅れが見込まれる場合、アプリを登録したスマートフォンに、遅れが発生したことを画面でお知らせする機能です。

近鉄アプリTop画面近鉄アプリTop画面
プッシュ通知時の画面プッシュ通知時の画面
「列車走行位置提供」サービス画面「列車走行位置提供」サービス画面
情報配信ディスプレイ情報配信ディスプレイ
駅係員が携行するタブレット端末駅係員が携行するタブレット端末

帰宅困難者対策

大阪市、京都市、名古屋市等において、行政を中心とする帰宅困難者対策協議会に当社も参加し、大規模災害発生時の帰宅困難者の支援体制づくりに取り組んでいます。

社員ワッペン

災害や事故等が発生した場合に、私服(スーツ等)で列車や駅に居合わせた当社社員が、円滑な応援業務(お客様の避難誘導、救護、案内等)を行えるよう、ワッペンを全社員に配布しています。

社員ワッペン社員ワッペン
社員ワッペン

緊急自動車の配備

鉄道事故・災害発生時等に、速やかに社員等を事故現場に到着させるため、道路交通法に定める緊急自動車の指定を受けた車両を沿線の各拠点に50台配備しています。(2018年8月現在)

緊急自動車緊急自動車

ドローンによる災害時の情報収集

災害時に安全、迅速に被害情報を収集するため、ドローンを用いて、高速無線通信技術により、遠隔から制御する仕組みを検証しています。

ドローンドローン
ドローンからの映像ドローンからの映像

異例事態対応訓練

大規模災害等の発生時に、対策本部を設置して被害現場の情報を迅速かつ的確に収集し、必要な対応を指示するシミュレーション訓練を継続的に実施しています。

異例事態対応訓練(異例事態対策本部)異例事態対応訓練(異例事態対策本部)
異例事態対応訓練(名古屋対策本部)異例事態対応訓練(名古屋対策本部)

事故・災害復旧対応訓練

地元の警察署、消防署と協力して、事故発生時のお客様救出等を行う事故・災害対応訓練や施設、車両の復旧を含む事故・災害復旧対応訓練を行っています。

事故・災害復旧対応訓練(六田車庫)事故・災害復旧対応訓練(六田車庫)

トンネル内火災対応訓練

長大トンネル内で火災が発生し、列車がトンネル内で停止した想定で、お客様の避難誘導等の訓練を実施しています。なお、社員提案により採用された「スモークマシン(発煙装置)」を訓練時に使用することにより、乗務員に実際の煙の流れを体感させています。

トンネル内火災対応訓練(近鉄名古屋駅地下トンネル内)トンネル内火災対応訓練(近鉄名古屋駅地下トンネル内)

テロ対応訓練

駅、列車内でのテロ発生を想定し、テロ対応訓練を実施しています。

消防とのテロ対応合同訓練(橿原神宮前駅構内)消防とのテロ対応合同訓練(橿原神宮前駅構内)

拠点駅参集訓練

勤務時間外に大規模地震が発生した際は、自宅最寄りの主な駅に出勤し、お客様の救出や避難誘導にあたることとなっており、出勤訓練を毎年行っています。出勤時に身の安全を守るためのヘルメットを社員に配付し、自宅に保管させています。

拠点駅参集訓練(大和高田駅)拠点駅参集訓練(大和高田駅)

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