TCFDへの取組み

TCFD提言への賛同

2021年8月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言へ賛同しました。気候変動が大きな社会課題となる中、当社グループは他の交通機関に比べてエネルギー効率が高く環境にやさしい鉄道を中心に事業を営んでおり、環境負荷の軽減に一層取り組むことで、脱炭素・循環型社会の実現に貢献します。引き続き、気候関連のシナリオ分析や戦略策定を進め、ホームページ等で適切に情報を開示するとともに、グループ全体で長期的に気候変動対策に取り組み、政府方針の2050年の脱炭素社会実現へ貢献していきます。

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気候変動に関するTCFD提言への取組み

「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」は、G20(財務大臣・中央銀行総裁会議)の要請を受けた金融安定理事会により設置され、2017年6月に最終報告書(TCFD提言)を公表しました。TCFD提言では、気候変動が企業の財務にどのような影響を与えるかに関して、「①ガバナンス体制、②戦略、③リスク管理、④指標と目標等」について、情報開示の枠組みを示しており、有価証券報告書等での開示を推奨しています。当社では、取組みを行っている内容を中心に、できる範囲から開示に取り組みます。

TCFDが気候変動に関して開示を推奨する内容

①気候関連のガバナンス
  • 気候関連のリスクと機会について、取締役会がどのように監視しているか
  • 気候関連のリスクと機会を評価・管理するうえでの経営陣の役割
②気候関連の戦略
  • 気候関連のリスクと機会がもたらす、組織への事業・戦略・財務計画への現在および潜在的な影響
  • 短期・中期・長期それぞれの気候関連のリスクと機会
  • 将来の気温上昇が2℃または1.5℃となる等のシナリオに対して、組織がどのように対応していくか
③気候関連のリスク管理
  • 気候関連のリスクと機会の特定・評価プロセス
  • 気候関連のリスクと機会の管理プロセス
  • 気候関連のリスクの特定・評価・管理プロセスが、総合的リスク管理に対して、どのように統合されているか
④気候関連の指標と目標
  • 気候関連のリスクと機会を評価および管理する際に用いる指標
  • 気候関連のリスクと機会を評価および管理する際に用いる目標と実績
  • スコープ1~3の温室効果ガス排出量と関連するリスク

気候関連のガバナンス

当社は、お客さま、地域社会、株主、取引先、従業員等ステークホルダーとの信頼関係を築き、長期的な視点での社会課題解決と企業価値向上のため、CSR委員会を設置しています。CSR委員会は、当社社長を委員長として、当社役員および主要な近鉄グループ会社のCSR担当役員により構成され、気候変動を含めた環境保全に関する方針や目標の策定、実績管理などを行います。同委員会で当社グループが長期的に取り組む重要テーマを審議し、取締役会で承認を得ています。また、取締役会では、気候変動リスクを含む事業リスクについて管理しています。気候変動リスクに対応するためのインフラの強靭化投資ほか重要な事案については、近畿日本鉄道㈱をはじめとする、事業会社の取締役会などで審議しています。

気候関連のリスク管理

気候関連リスクの特定と評価は、全社レベルから部門レベルまで、各社・各部署において、様々な段階で行っており、特に重要なリスクについては、取締役会等で審議されます。

全社レベル(全社のリスク管理体制の中に気候変動リスクも含めて管理する)
当社およびグループ会社における事業等のリスクを適切に管理するための基本的な事項を定めた「リスク管理規程」を制定しています。このリスク管理規程に基づき、事業等のリスクを確実に把握し、リスクの発生に対する予防およびリスクが発生した場合の損失拡大防止の観点から適切な対策を立案、実施するリスク管理を行います。事業全体のリスク管理の中に、気候変動リスクも含まれています。リスク管理規程では、取締役会、経営会議およびグループ戦略会議などをリスク管理機関と定め、リスク管理を行うこととしています。
部門レベルやグループ会社で発生が予想されるリスクを、リスク項目の集約部署である「経営戦略部・総務部」に提出し、その重要度を全社的視点に基づき整理し、経営会議等で方向性や諸施策を審議し、リスク案件のうち重要な業務執行については、取締役会で審議し、決定しています。
グループ全社レベル(気候変動に特化した管理体制)
当社社長と役員、主要グループ会社の役員を委員とする「CSR委員会」は、CSR(気候変動を含むESG全般)に関する最高機関であり、気候変動に関する方針や目標策定、実績管理やリスクと機会の管理をおこなっています。グループ各社では、それぞれの気候変動に関するリスクと機会を評価しており、CSR委員会では、毎年度各社の内容や取組み、気候関連データを収集し、委員会メンバーが評価・監督し、方針や目標等を定めています。また、一定額以上の投資については取締役会で審議され、気候変動への影響や、省エネルギー効果や安全性等が確認されており、CSR委員会と取締役会のチェックが働くことで、適正に管理されています。CSR委員会は年1~2回定期的に開催しています。

気候関連のリスクと機会(概要)

近鉄グループの主要会社を対象に、気候関連のリスクと機会の特定・評価を行っています。今後は、シナリオの想定と、事業への影響評価などシナリオ分析を進めます。

リスク

●移行リスク(脱炭素経済への移行に関するリスク)
政策と
規制
  • 炭素税導入によるエネルギー調達コストの増加
  • ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)規制などによる対応コストの増加
市場
  • エネルギー調達コストの増加
評判
  • 環境に配慮した事業活動の遅れによる、顧客離れ
●物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)
急性
  • 大型台風や豪雨などにともなう鉄道運休、商業施設休業、ホテルや旅行のキャンセル発生等による売上の減少
  • 損害を受けた施設や設備の復旧コストの増加
慢性
  • 気温上昇にともなう顧客の出控えによる、鉄道や商業施設等の売上の減少
  • 鉄道車両やオフィスビルの空調コストの増加

機会

資源
効率性
  • 技術革新を通じた効率化によるコスト削減
  • 省エネ技術の進展によるコスト減少
製品と
サービス
  • 輸送効率性が高く、環境負荷の小さい鉄道やバスを選好する旅客の増加
  • 輸送効率性が高く、環境負荷の小さい鉄道やバスに対する、公共からの合理的な支援拡大やモーダルシフト促進による、事業の持続的成長と収支改善
  • 環境に配慮したマンションや住宅の選好による売上の増加

気候関連のリスクと機会(詳細)

気候変動に関するリスクと機会(ビジネスチャンス)で開示が求められる内容は、次の通りです。
財務的な影響を算出するのが困難なものは、定性的な内容となっています。

TCFDが開示を推奨する内容

リスク
  • 移行リスク①政策と法律 ②技術 ③市場 ④評判
  • 物理的リスク①急性リスク(台風・洪水など突発的なもの)
    ②慢性リスク(気温上昇、猛暑など)
機会
①資源効率性 ②エネルギー源 ③製品とサービス ④市場 
⑤レジリエンス

気候変動リスクの内容と対策

気候変動の機会(優位性・ビジネスチャンス)

CDPへの回答による情報開示

CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とは、世界の機関投資家が賛同し、NPOが世界の企業に対して、気候変動のリスクと機会の内容、戦略や温室効果ガス排出量等の公表を求める活動で、TCFDの開示内容に準拠しています。
日本では時価総額上位500社が対象で、当社は2010年から毎年回答し、情報開示しています。

当社のCDP(気候変動)スコア

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
B B C B B B
CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)

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