コーポレートガバナンス
(全体更新日:2023年12月20日)
(★印 更新日:2023年8月8日)
目次
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- 基本的な考え方
- ガバナンス改革の変遷
- コーポレートガバナンス体制
- 企業行動規範
- 取締役
- 取締役会
- 取締役会の実効性評価
- 取締役会の多様性方針
- 監査役
- 監査役会
- 人事・報酬諮問委員会
- 内部監査の状況
- 会計監査の状況
- 社外取締役・社外監査役
- 社外役員の独立性
- 役員のスキルマトリックス
- 取締役・監査役の報酬
- 株主優待制度
- 大株主の状況
- 株主総会
- 金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の整備・運用状況
- 内部統制システム
- 上場子会社を有する意義、ガバナンス実効性
- 適時開示体制
- KWEグループ企業指針(㈱近鉄エクスプレス)★
- KWE Group Code of Conduct(KWEグループ行動規範)★
- KWE供給者行動規範(㈱近鉄エクスプレス)★
- サプライヤー等に対する行動指針
- パートナーシップ構築宣言
基本的な考え方
当社グループは、『「いつも」を支え、「いつも以上」を創ります。』を経営理念として、誠実な企業活動により暮らしの安心を支え、果敢な挑戦により新たな価値を創出するとともに、多様な人々との協働により社会に貢献することを目指しています。これらの活動を通じて株主、顧客、取引先、地域社会、従業員など多様な利害関係者との信頼関係を維持・強化していくために、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、経営の健全性の向上に努めています。
ガバナンス改革の変遷
- 2003年 6月
-
役員退職慰労金制度の廃止
執行役員制度の導入
取締役の任期を2年から1年に短縮
取締役の員数を25名から19名(うち社外取締役4名)に変更
- 2004年 6月
-
取締役の員数を17名(うち社外取締役4名)に変更
- 2006年 5月
-
企業価値向上および株主共同の利益確保のため、企業買収防衛策を導入
- 2006年 6月
-
役員報酬制度の見直し(業績連動報酬の導入)
- 2010年 6月
-
定時株主総会を6月25日に開催、以後開催日を早期化
- 2012年 6月
-
執行役員制度の見直し(専務執行役員および常務執行役員の新設)
- 2014年 6月
-
定時株主総会で議決権電子行使プラットフォームを採用
- 2015年 4月
-
純粋持株会社制へ移行
(グループ経営機能の強化と各事業会社の自立的経営を通じ企業価値の増大を企図) - 2015年10月
-
役員報酬制度の見直し(業績連動報酬の比率向上)
- 2016年 5月
-
取締役会の実効性評価を開始
- 2016年 6月
-
経営環境の変化などを踏まえ、企業買収防衛策を廃止
- 2018年10月
-
人事・報酬諮問委員会の設置(独立社外取締役が構成員の過半数)
- 2019年 6月
-
役員報酬制度の見直し(譲渡制限付株式報酬の導入)
取締役の員数を14名(うち社外取締役4名)に変更
- 2020年 6月
-
女性役員の選任(社外監査役1名)
- 2021年 3月
-
取締役の個人別金銭報酬額の決定方法を変更(取締役会長への一任から、取締役会での決議に変更)
- 2021年 6月
-
女性役員の増員(増員後の社外取締役1名、社外監査役1名)
取締役の員数を12名(うち社外取締役4名)に変更(取締役の3分の1が独立社外取締役)
コーポレートガバナンス体制
社会の信頼を得るため透明度が高く公正な経営体制を構築することが重要な課題であると考え、コーポレートガバナンスの充実を図っています。
企業行動規範
当社の行動の拠り所となる「近鉄グループホールディングス企業行動規範」を以下のとおり制定しています。
- グループ各社の事業を通じて、お客さまの満足度を高めます
- グループ各社の自立と連携により、企業価値の増大を図ります
- 良き企業市民として地域社会の発展に貢献します
- 環境保全に真摯に取り組みます
- 法令を遵守し、高い倫理を保ちます
- 的確な情報開示を行い、経営の透明性を確保します
- 人権を尊重し、労使が協調する職場を作ります
- 反社会的勢力・団体とは一切の関係を持ちません
取締役
当社の取締役は12名ですが、そのうち4名は当社と特別の利害関係のない社外取締役であり、豊富な経験や幅広い見地から示される意見を経営に反映させるとともに、経営監督機能の強化を図っています。女性取締役は1名です。
定款上の取締役の員数 | 員数の上限を定めていない |
---|---|
定款上の取締役の任期 | 1年 |
取締役会の議長 | 会長 |
取締役の人数 | 12名 |
社外取締役の選任状況 | 選任している |
社外取締役の人数 | 4名 |
社外取締役のうち独立役員に指定されている人数 | 4名 |
(2023年6月現在)
取締役会
取締役会は会長を議長とし、原則として毎月1回開催し、重要な業務執行を決定するとともに、内部統制の整備・運用状況を含む業務執行状況の報告を定期的に受け、業務執行取締役および執行役員による業務執行を監督しています。
当社における重要な業務執行の決定のほか、主要な子会社における重要案件の承認、収支予算や収支実績の報告などを行っており、2022年度は、当社の株式取得(㈱近鉄エクスプレスの完全子会社化など)や主要な事業子会社の投資案件(志摩エリアにおけるアウトドア体験型複合施設の建設工事など)等について審議・検討を行いました。2022年度の出席状況は、スキルマトリックス表に記載しています。
取締役会の実効性評価
当社取締役会は、取締役会の実効性評価のため、昨年に続き取締役、監査役全員を対象として自己評価を実施し、その結果に基づいて取締役会で分析・評価を行いました。その結果の概要は次のとおりです。
取締役会においては、必要かつ十分な頻度が確保されている、重要事項等が適切に決議されるとともに、具体的で詳細な報告が主要な子会社の社長からも行われている、質疑や議論も充実してきており適切に機能しているなど、総じて肯定的な評価がなされました。
昨年の実効性評価で課題として認識された、「コロナ禍等を背景にした厳しい経営環境の中で非常に重要な判断を必要とする案件が増えてきたので、資料および説明においては、背景や可能な限りの検証など、従来以上に掘り下げた方が良い」という点については、資料や説明の内容がポイントを押さえた充実したものになっている、重要な案件について充実した事前説明がなされたという評価を受けました。
一方で、ガバナンス関連の報告を拡充してほしい、リスク・コンプライアンスの考え方、各事業の将来展望や中長期戦略等について討議の場を増やしてはどうか、当社グループのトータルリスクの評価機能を強化するのが良いとの意見も提示されました。
これらの意見を踏まえ、当社は、引き続き取締役会の機能向上に取り組んでまいります。
取締役会の多様性方針
役員については、性別にかかわらず、経験、知識、能力、人格等を総合的に考慮して登用しますが、一方で女性の視点を活かした経営が今後重要になるとの観点から、女性の活躍を推進する取組みを行っていきます。また、社外役員には、他の会社の経営者、弁護士、各分野の学者など多彩な方々にご就任いただき、多様性のある構成となるように配慮します。
監査役
当社の監査役は5名ですが、このうち3名は社外監査役かつ独立役員で財務・会計・法務に関する十分な知見を有する者を確保しており、監査の厳正、充実を図っています。女性監査役は1名です。
監査役会
監査役会は、原則として毎月1回開催し、監査の基本方針等を決定するとともに、各監査役が実施した日常監査の結果を報告し、監査役間で意見の交換等を行っています。
2022年度の出席状況は、スキルマトリックス表に記載しています。
人事・報酬諮問委員会
取締役会の諮問機関として、取締役の人事・報酬等について審議を行い、取締役会の決議に資することを目的に、独立社外取締役が過半数を占める人事・報酬諮問委員会を設置しています。指名委員会と報酬委員会の双方に相当する機能を担う任意の委員会であり、現在は取締役会長、社長および独立社外取締役4名で構成しており、毎年1回以上開催することとしています。2022年度は3回開催し、構成員は全員出席して、取締役、グループ執行役員および執行役員の人事や報酬額について審議・検討を行ったほか、スキルマトリックスを開示するにあたり、役員に必要とされるスキルについて検証を行いました。
内部監査の状況
- ①組織・人員等
- 当社は、当社グループにおける業務の適正の確保、業務改善の促進および経営効率の向上等に資する観点から、内部監査の計画、実施、報告等を定めた規程に基づき監査部(所属人員15名)による内部監査を適時行う体制を整備しています。
- ②内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携
- 監査役および監査部は、会計監査人である有限責任 あずさ監査法人から、監査計画、監査結果等に関する報告を随時聴取し、相互に意見交換しています。また、常勤の監査役は必要に応じて会計監査人が実施する監査に立会しています。
監査役は、監査部から、監査計画、監査結果等に関する報告を随時聴取し、相互に意見交換しています。また、常勤の監査役は必要に応じて監査部が実施する内部監査に立会しています。
会計監査の状況
- ①監査法人の名称
- 有限責任 あずさ監査法人
- ②継続監査期間
- 1970年3月期以降
上記は、調査が著しく困難であったため、現在の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身(の1つ)である朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間について記載したものです。 - ③業務を執行した公認会計士
- 指定有限責任社員 業務執行社員 原田 大輔
指定有限責任社員 業務執行社員 和田 安弘
指定有限責任社員 業務執行社員 岸田 卓 - ④監査業務に係る補助者の構成
- 当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士27名、会計士試験合格者等9名、その他20名です。
社外取締役・社外監査役
社外取締役および社外監査役は、監査部担当役員も出席する取締役会において、監査役による監査の状況、監査部による内部監査の状況その他内部統制の整備・運用状況について定期的に報告を受けています。会計監査人の意見についても、必要に応じ、常勤の監査役および監査部担当役員から適宜報告を受け、加えて社外監査役は会計監査人から直接報告を受けているほか、監査役会における情報交換も行っています。
社外役員の独立性
当社は独立役員の資格を充たす社外役員7名を全て独立役員に指定しています。
なお、独立役員は、一般の株主様と利益相反が生じるおそれがない社外取締役と社外監査役で、その独立性判断基準は次のとおりです。
- 1.年間のグループ間の取引額が連結営業収益の2%以上の取引先およびその連結子会社に属していないこと。
- 2.役員報酬以外に年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を得ているコンサルタント、法律専門家、会計専門家でないことまたはそれらが属する法人、団体に属しないこと。
- 3.過去3年以内に上記1、2に該当する者でないこと。
- 4.上記1~3(重要でない者を除く。)の近親者でないこと。
役員のスキルマトリックス
当社における地位 | 氏名 | 経営経験 | 事業経験 | マーケティング | IT・DX | グローバル | 財務・会計 | 法務 | 人材開発・ダイバーシティ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
代表取締役会長 | 小林 哲也 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
代表取締役社長 | 都司 尚 | ○ | ○ | ○ | |||||
取締役専務執行役員 | 若井 敬 | ○ | ○ | ||||||
取締役専務執行役員 | 原 史郎 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
取締役常務執行役員 | 林 信 | ○ | ○ | ○ | |||||
取締役常務執行役員 | 松本 昭彦 | ○ | ○ | ||||||
取締役常務執行役員 | 笠松 宏行 | ○ | ○ | ||||||
取締役 | 米田 昭正 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
社外取締役 | 柳 正憲 | ○ | ○ | ○ | |||||
社外取締役 | 片山 登志子 | ○ | ○ | ○ | |||||
社外取締役 | 長岡 孝 | ○ | ○ | ○ | |||||
社外取締役 | 三笠 裕司 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
監査役(常勤) | 夛田 均 | ○ | ○ | ||||||
監査役(常勤) | 西崎 一 | ○ | ○ | ||||||
社外監査役 | 前田 雅弘 | ○ | ○ | ||||||
社外監査役 | 鈴木 一水 | ○ | ○ | ||||||
社外監査役 | 井上 美智子 | ○ | ○ |
当社における地位 | 氏名 | 取締役会の出席状況(2022年度) | 監査役会の出席状況(2022年度) | ||
---|---|---|---|---|---|
代表取締役会長 | 小林 哲也 | 10回中10回 | (出席率100%) | ||
代表取締役社長 | 都司 尚 | ||||
取締役専務執行役員 | 若井 敬 | 10回中10回 | (出席率100%) | ||
取締役専務執行役員 | 原 史郎 | 10回中10回 | (出席率100%) | ||
取締役常務執行役員 | 林 信 | 10回中10回 | (出席率100%) | ||
取締役常務執行役員 | 松本 昭彦 | 8回中8回 | (出席率100%) | ||
取締役常務執行役員 | 笠松 宏行 | ||||
取締役 | 米田 昭正 | ||||
社外取締役 | 柳 正憲 | 10回中9回 | (出席率90%) | ||
社外取締役 | 片山 登志子 | 10回中10回 | (出席率100%) | ||
社外取締役 | 長岡 孝 | 8回中8回 | (出席率100%) | ||
社外取締役 | 三笠 裕司 | ||||
監査役(常勤) | 夛田 均 | 10回中10回 | (出席率100%) | 11回中11回 | (出席率100%) |
監査役(常勤) | 西崎 一 | ||||
社外監査役 | 前田 雅弘 | 10回中10回 | (出席率100%) | 11回中11回 | (出席率100%) |
社外監査役 | 鈴木 一水 | 10回中10回 | (出席率100%) | 11回中11回 | (出席率100%) |
社外監査役 | 井上 美智子 | 10回中9回 | (出席率90%) | 11回中10回 | (出席率91%) |
- 上記一覧表は、各取締役および各監査役が有するすべての知識・経験・能力を表すものではありません。
- 松本昭彦氏および長岡孝氏の取締役会出席状況は、2022年6月17日の取締役就任以降に開催された取締役会のみを対象としています。
取締役・監査役の報酬
取締役報酬においては、独立社外取締役が過半数を占める人事・報酬諮問委員会の審議を経て、取締役会の決議により個人別の金銭報酬額を決定しています。常勤取締役の報酬については、固定金銭報酬、業績連動金銭報酬および株式報酬で構成しています。また、監査役報酬においては、監査役の協議により報酬額を決定しています。
「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針」と、役員区分ごとの報酬等の額は、以下のとおりです。
取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針
取締役の報酬は、企業価値向上および業績向上へのインセンティブを高めることを考慮して、固定金銭報酬、業績連動金銭報酬および株式報酬で構成することとし、その個人別の内容は以下の方針に基づき決定する。
- ⅰ.固定金銭報酬の決定方針
固定金銭報酬の金額は、職責等を勘案して職位別に定める。 - ⅱ.業績連動金銭報酬の決定方針
常勤取締役には業績連動金銭報酬を支給する。その金額は職位別に定めることとし、「連結経常利益」および「親会社株主に帰属する当期純利益」を指標として、各利益額に応じて算出する。 - ⅲ.株式報酬の決定方針
常勤取締役には株式報酬として、退任時まで処分できない等の条件を付した譲渡制限付株式を付与することとし、その株式数は職位別に定める。 - ⅳ.各報酬の金額割合の決定方針
固定金銭報酬、業績連動金銭報酬、株式報酬の金額の割合は、企業価値向上および業績向上に寄与するために適切な割合とする。 - ⅴ.報酬支給時期の決定方針
金銭報酬は毎月支給する。株式報酬は、毎年7月に年間分を付与するが、重大な法令違反があったと取締役会が認めた場合など一定の事由が生じた場合には会社が無償取得することがある。 - ⅵ.個人別報酬額の決定方法
個人別報酬額は、会社が作成する原案をもとに人事・報酬諮問委員会の審議を経て取締役会が決定する。
報酬等の額(2022年度)
役員区分 | 総額 (百万円) |
内訳(百万円) | 員数 (名) |
||
---|---|---|---|---|---|
固定 金銭報酬 |
業績連動 金銭報酬 |
株式報酬 | |||
取締役 | 331 | 209 | 94 | 27 | 15 |
(うち社外取締役) | (27) | (27) | (-) | (-) | (5) |
監査役 | 71 | 71 | - | - | 5 |
(うち社外監査役) | (19) | (19) | (-) | (-) | (3) |
株主優待制度
当社の株式を1単元以上お持ちの方に、年に2回の優待を実施しています。株数に応じた乗車券や近鉄沿線の観光施設の割引券、近鉄百貨店割引券などを配布し、沿線の魅力を株主の皆様に紹介する等、優待制度により当社のファンとなる株主を増やし、株式の長期保有を促進しています。
大株主の状況
株 主 名 | 株式数(千株) | 持株比率(%) |
---|---|---|
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口) | 26,442 | 13.9 |
㈱日本カストディ銀行(信託口) | 8,013 | 4.2 |
日本生命保険(相) | 4,198 | 2.2 |
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 ㈱みずほ銀行) |
4,032 | 2.1 |
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 ㈱みずほ銀行) |
2,410 | 1.3 |
㈱三菱UFJ銀行 | 2,250 | 1.2 |
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 ㈱みずほ銀行) |
1,672 | 0.9 |
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 香港上海銀行 東京支店) |
1,667 | 0.9 |
明治安田生命保険(相) | 1,629 | 0.9 |
三菱UFJ信託銀行㈱ | 1,500 | 0.8 |
(2023年3月末現在)
- 千株単位の記載株式数は千株未満を切り捨てて表示しています。
- 持株比率は、自己株式(181,186株)を除いて算出しています。
株主総会
2022年6月17日に、シェラトン都ホテル大阪において、第111期定時株主総会を開催しました。招集通知は2022年5月26日に発送するとともに、発送日に先立って当社および証券取引所のホームページに掲載しました。
電磁的方法による議決権の行使は、当社の指定する議決権行使サイトからの議決権行使を可能としています。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、第111期定時株主総会も、座席間隔を空けて開催しました。
金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の整備・運用状況
金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、財務報告を法令等に従って適正に行うことの重要性を十分に認識し、必要な体制を適切に整備、運用しています。
内部統制システム
内部統制システムの内容につきましては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載しております。
詳細はコーポレート・ガバナンスに関する報告書の「Ⅳ内部統制システム等に関する事項」をご覧ください。
上場子会社を有する意義、ガバナンス実効性
当社の子会社のうち、株式会社近鉄百貨店、KNT-CTホールディングス株式会社および株式会社きんえいは東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
当社は、鉄道事業をはじめ、生活関連事業を幅広く展開しており、株式会社近鉄百貨店、株式会社きんえいは主要ターミナルや沿線各地において快適かつ多様な都市機能を整備していくために、またKNT-CTホールディングス株式会社は、伊勢志摩や奈良など沿線観光地への旅客誘致において、それぞれ重要な役割を果たしています。このように各事業が有機的につながることで、「いつもを支え、いつも以上を創ります」というグループ経営理念の実現を目指しています。一方、これらの上場会社においては、上場していることで経営の自律性が増すとともに、社会的な信用、人材の確保等の面でも利点があり、グループ経営の質を相乗的に高めることができると考えています。
当社はグループの経営管理にあたり、上場子会社の自律性、少数株主の利益を損なわないよう配慮しています。また上場子会社において、当社との重要な取引については、複数の独立社外取締役が参加する取締役会の承認を得ているほか、必要に応じて第三者の意見も入手し、取引の公正を確保しています。
適時開示体制
内部情報の漏えいを防止するため、情報セキュリティ規程およびインサイダー取引防止規則の両社内規則において、当社の役員、社員等は、職務に関して知った当社ならびに当社の子会社および取引先等の内部情報を職務の遂行上必要と認める者以外の者に伝達してはならない旨定め、内部情報の厳正な管理に努めています。
また、当社の役員、社員等には、当社ならびに当社の子会社および取引先等の株式売買等がインサイダー取引に該当するかどうか疑義のある場合は、総務部に照会することを義務づけています。特に役員および管理職には、会社を通じて毎月一定額を買い付ける以外の方法により売買等をするときは、事前届出を義務づけています。
当社および当社子会社の内部情報のうち、適時開示を行う対象となるべき事項を総務部にて一元的に把握する仕組みを整えています。具体的には、事案の担当部署(子会社に関する事案は経営戦略部)は総務部に事案の内容を報告し、総務部は当該事案の関係部署ならびに広報部と協議のうえ、社長の決裁を得て、開示の具体的方法を決定します。広報部はこの決定にもとづき、当該事案の開示を行います。
開示の時期は事案の種類に応じて次のいずれかとなります。
- (1)決定事実の場合
- 当社あるいは当社子会社の業務執行を決定する機関が当該事項を行うことについての決定をしたとき、または当該機関が当該決定(公表されたものに限る。)に係る事項を行わないことを決定したとき
- (2)発生事実の場合
- 事実を確認したとき
- (3)決算情報の場合
- 決算に関する数値を決定したとき
- (4)その他の情報の場合
- 事実を確認したとき
なお、当社では、内部情報の厳正な管理が行われているかをチェックするため、監査役による監査に加え、社内監査を所管する専任部署である監査部が監査を行う体制を整えています。
KWEグループ企業指針( ㈱近鉄エクスプレス )
㈱近鉄エクスプレスは、2015年11月1日付で1999年11月に策定された行動指針を全面改訂し、同社グループが企業として執るべき姿勢を明確化し、グループで共有すべく「KWEグループ企業指針」に変更しました。
KWEグループ企業指針
- 私たちは、お客様に対して常に満足と信頼を得られる高品質なサービスを提供し、企業価値の向上に努めます。
- 私たちは、ロジスティクスを通してグローバルに事業活動を展開し、成長と発展を続ける企業を目指します。
- 私たちは、株主をはじめとするステークホルダーと広くコミュニケーションを図り、企業情報を正確かつ適切に開示します。
- 私たちは、国際ルール、各国、各地域の法令・規範を遵守し、コンプライアンスの徹底に努めます。
- 私たちは、従業員の人格、個性、多様性を尊重するとともに、安全で働きやすい職場環境を提供します。
- 私たちは、グローバル企業として地球環境に配慮し、持続可能な社会作りに貢献します。
KWE Group Code of Conduct(KWEグループ行動規範)( ㈱近鉄エクスプレス )
㈱近鉄エクスプレスは、2014年5月1日付でグループ全従業員が遵守すべき法令や心構えを明文化したKWE Group Code of Conduct(行動規範)を定めました。このKWE Group Code of Conductは社長メッセージと17の項目から成り、文化・商習慣の異なる32カ国のKWEグループ従業員への周知と共に、お客様や取引先など、あらゆるステークホルダーが同社の企業倫理に対する考え方を深く理解頂けることを主眼として、英語で作成しています。
KWE Group Code of Conduct(KWEグループ行動規範)
タイトルをクリックすると、近鉄エクスプレスのホームページに移動します。
KWE Group Code of Conduct(KWEグループ行動規範)
- Compliance with Laws(法令遵守)
- Conflicts of Interest(利益相反)
- Anti – Corruption(贈収賄禁止(含むFCPA))
- Gifts and Entertainment(贈答接待)
- Antitrust Laws(独占禁止法)
- Political Contributions(政治献金)
- Insider Trading Laws(インサイダー取引)
- Equal Employment Opportunity(機会均等)
- Open Door Policy(オープンドアポリシー)
- Human Rights(人権)
- Harassment(職場ハラスメント)
- Health and Safety(健康安全)
- Environment(環境)
- Accurate Records and Reporting(内部統制(正確な記録・報告))
- Confidential Information / Trade Secrets(機密保持)
- Use of Company Assets(会社資産の使用)
- Implementation of the Code(行動規範の履行(相談窓口))
各項目の内容は、近鉄エクスプレスのホームページをご覧ください
KWE供給者行動規範( ㈱近鉄エクスプレス )
㈱近鉄エクスプレスは、2020年1月、国内外全てのサプライヤーの皆様に求める行動原則をサステナビリティの視点からまとめ、「KWE供給者行動規範」として策定しました。加えて、社内やサプライチェーン全体における社会的、環境的、倫理的責任の遂行状況を継続的に改善するべく、社内外のベストプラクティスを共有し、各拠点・サプライヤーへ適用していきます。
KWE Vendor Code of Conduct(オリジナル:英語版)
タイトルをクリックすると、PDFが表示されます。
サプライヤー等に対する行動指針
国内外で多様な事業を展開している近鉄グループにとって、法令倫理や環境、労働安全衛生などのCSR意識をビジネスパートナーと共有し、誠実で責任ある行動を取ることが重要だと考えています。
近畿日本鉄道㈱では、取引先に向け「購買活動の基本方針」「取引先様へのお願い」を策定するとともに、取引先の実態確認や改善を推進するために、定期的なアンケート調査を実施しています。
また、近鉄エクスプレス(KWE)グループでは、 2020年に「KWE供給者行動規範」を制定しました。同社グループは、マテリアリティのひとつに、Social Impacts in the Supply Chain(責任ある調達の推進)を定めており、今後もビジネスパートナーとの関係をさらに強化していきます。
- 近畿日本鉄道
- 「購買活動の基本方針」https://www.kintetsu.jp/shizaichotatsu/basicpolicy.html
- 「取引先様へのお願い」https://www.kintetsu.jp/shizaichotatsu/onegai.html
- 近鉄エクスプレス
- 「KWE供給者行動規範」https://www.kwe.com/upload/docs/en_vendor_code_of_conduct-2021nov.pdf
パートナーシップ構築宣言
当社は2022年3月に、「パートナーシップ構築宣言」を宣言しました。同宣言は、企業が、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進め、新たなパートナーシップを構築することを目的としたもので、当社のほか近鉄グループ7社でも宣言しています。電子商取引の推進などサプライヤーの業務効率化の支援などに取り組むとともに、サプライチェーン全体の状況把握と情報共有を通じて、「共創による豊かな社会の実現」に貢献します。