大和文華館

秋の特別展

特別展 てん美禄びろく 酒の美術

会期
2021年10月9日(土)~ 11月14日(日) 
※一部展示替えがあります。
【前期】10月9日(土)~10月27日(水)【後期】10月28日(木)~11月14日(日)
休館日
月曜日休館
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
入館料

一般 950円 高校・大学生 730円 小学・中学生 無料

※20名以上の団体は相当料金の2割引で引率者1名無料
※「障がい者手帳」をお持ちの方とご同伴者1名2割引

主催:公益法人 大和文華館   

共催:読売新聞社    


助成:芸術文化振興基金     

広報協力:奈良県みんなでたのしむ大芸術祭、奈良県酒造組合

広報連携:奈良県立万葉文化館
  開館20周年記念特別展「うま酒の国 大和」
  10月9日(土)〜11月23日(火・祝)
  連絡先 TEL:0744-54-1850 

※会期中、相互割引あります。本展入館時に「うま酒の国 大和」展 2割引券をお渡しします。

 天からの素晴らしい授かりものとして「天の美禄(天之美禄)」と呼ばれる酒は、人の歴史とともに文化や信仰の重要な要素となってきました。
 酒は神と人を繋ぐものとされて神事や直会などの場に供えられ、様々な宴では酒を飲み交わすことで人々のつながりが深められました。
 花見や月見など季節に応じた宴会や家族や友と設ける宴席など、現在でも飲酒の風習は生活に深く根付いています。
 また、奈良は日本酒発祥の地とされ、京都の伏見や兵庫の灘五郷とともに、関西は酒造の地として知られています。
 本展覧会では、酒の場で用いられた趣向を凝らした酒器や宴を描く絵画など、酒にまつわる多様な美術作品によって、古代から近世の東アジアにおける酒の文化を紐解きます。

展覧会の構成

第一章 神・祖先に捧げる ―― 神と人をつなぐ酒:中国

 酒は人の歴史に深く関わってきました。中国・商から周時代を代表する青銅器は、祭祀に用いる酒器や食器が多く製作されています。
 神に供えるために、鬱金(うこん)で香り付けされた酒、鬯(ちょう)が用いられました。
 青銅器には怪獣面の饕餮文(とうてつもん)をはじめ、天と地を行き来すると考えられた龍や鳥のほか、象や亀など様々な生き物の姿があらわされています。
 また、酒にまつわる神話や伝説は数多く伝えられ、酒が神仙と結びつけられてきたことがうかがえます。

重要美術品 戈卣かゆう
中国・商時代後期  泉屋博古館
写真撮影:深井純
重要美術品 青磁多嘴壺たしこ
中国・北宋時代 大和文華館

第二章 酒に酔い、酒を詠う:中国の酒器と詩

 広く酒が嗜まれるようになると、人々が用いる酒器には酒についての詩文や吉祥句、また季節に関わる文字が記され、文字が文様に取り入れられるものも作られます。
 中国・明時代の酒器には「酒是人間禄、神仙祖代留。三盃和萬事、一酔解千愁」(酒は人に天から与えられる喜びであり、神仙や祖先が残してきた。三杯の酒は万事を調和させ、酔えばあらゆる憂いから解放される。)と記され、酒は天から人に与えられたもので、人々の悩みや苦しみを忘れさせる、と詠われています。
 酒を飲んで憂さを晴らし、ほろ酔いで詩歌を口ずさんで楽しむ……そんな姿が見えてきます。
 日常生活にまで深く浸透した酒ですが、ここでも神と人をつなぐものとして捉えられていたことがわかります。

青花捻文瓢形徳利
中国・明時代 MOA美術館
五彩金襴手婦女形水注
中国・明時代 大阪市立東洋陶磁美術館

第三章 神に捧げる酒、仏と酒:日本

 酒はもともと神と人を繋ぐものとされ、神事や直会(なおらい)などの場に供えられました。春日大社には祭事に奉献される御神酒を造った酒殿が設けられ、春日宮曼荼羅にも描かれています。神と酒との深いつながりは、神事としての能や舞楽に猩々(しょうじょう)や瓶子取(へいじとり)など酒に関わる内容が多く見られことからもうかがえます。
 仏教では飲酒による弊害から酒を売ること、飲むことが戒められます。しかし人々が想い描く豊かな暮らしに酒は欠かせなかったようで、現世利益をあらわした絵画には、裕福な飲食のある暮らしや酒宴の様子が描かれています。また、中世に名酒として知られた河内長野の天野酒に代表されるように、寺院で僧侶が醸造する「僧坊酒」の酒造技術は高く、酒造の技術と産業化の歴史においても重要な意味を持っています。
 日本の神や仏と酒の関係も長く、深く続いてきたといえます。

春日宮曼荼羅
鎌倉~南北朝時代 大和文華館
重要文化財 能面 猩々
桃山時代・天正19年(1591)
奈良・天河大辨財天社

第四章 宴 ―― 人と人をつなぐ酒:日本

 飲食の席を共にすること、それは人と人をつなげ、関係を深めるためのものでもあります。
 酒は宴会など人々が集まる席でふるまわれ、人と人を繋ぐ役割も果たしています。
 お花見やお月見など季節に応じた宴会、家族や友と設ける宴席などにおける飲酒の風習は、季節の恵みを喜び、また人の繋がりを強めるために、現在でも人々の生活の中に根付いています。
 ここでは、美術作品の中にあらわされた様々な酒宴の場面を見ていきます。

重要美術品 色絵酒宴図大平鉢
江戸時代 MOA美術館
酔客図巻(部分) ※前後期で巻き替え
小田海僊筆 江戸時代・文政七年(1824)
泉屋博古館

第五章 宴を彩る名脇役 ―― 酒器

 酒を容れ、注ぎ、飲むための酒器は、古来、酒宴の場では欠かせないものです。
 様々な場に相応しく、また当時の流行を取り入れて、趣向を凝らした器が作られてきました。
 東西交流により葡萄酒が東洋にもたらされると、ワイングラスやそこにあらわされた文様がともに伝えられるように、新しい文化の流入に伴い、酒器やその製作技術が取り入れられていきます。
 宴を彩り、人々を楽しませてきた酒器からは、酒宴の歴史とともに、美術の歴史を感じ取ることができます。

粉彩梅花文盃
中国・清時代 大和文華館
色絵花鳥文盃
オランダ・1730年頃 大和文華館
東印度会社帆船図硝子酒盃
オランダ・18世紀 大和文華館

出陳品 90件 ※一部展示替えがあります

第一章 神・祖先に捧げる ―― 神と人をつなぐ酒:中国
重要美術品 戈卣かゆう 中国・商時代後期 泉屋博古館
重要美術品 青磁多嘴壺たしこ 中国・北宋時代 大和文華館
  人物神獣図石棺床(屏部分) 中国・北魏時代 和泉市久保惣記念美術館
重要文化財 鍍金銀製狩猟文六花形盃 中国・唐時代 白鶴美術館
第二章 酒に酔い、酒を詠う:中国の酒器と詩
  青花捻文瓢形徳利 中国・明時代 MOA美術館
  五彩金襴手婦女形水注 中国・明時代 大阪市立東洋陶磁美術館
  五彩牡丹文高足杯 中国・金―元時代 東京国立博物館
  青花詩文面取瓶 朝鮮・朝鮮時代 京都国立博物館
第三章 神に捧げる酒、仏と酒:日本
  春日宮曼荼羅 鎌倉~南北朝時代 大和文華館
重要文化財 能面 猩々 桃山時代・天正19年(1591) 奈良・天河大辨財天社
重要文化財 漆塗太鼓形酒樽 日本・室町時代 堺市博物館
重要文化財 光明真言功徳絵詞 日本・室町時代 滋賀・比叡山 葛川明王院
第四章 宴 ―― 人と人をつなぐ酒:日本
重要美術品 色絵酒宴図大平鉢 江戸時代 MOA美術館
  酔客図巻(部分) 小田海僊筆 江戸時代・文政七年(1824) 泉屋博古館
  東山三絶図 円山応挙筆 日本・江戸時代後期 大和文華館
  赤絵龍文盃 青木木米作 日本・江戸時代後期 大和文華館
第五章 宴を彩る名脇役 ―― 酒器
  粉彩梅花文盃 中国・清時代 大和文華館
  色絵花鳥文盃 オランダ・1730年頃 大和文華館
  東印度会社帆船図硝子酒盃 オランダ・18世紀 大和文華館
重要美術品 黒釉葫芦瓶 朝鮮・高麗時代 大和文華館
  色絵樽乗西洋人酒器 日本・江戸時代 大学共同利用機関法人
人間文化研究機構
国立歴史民俗博物館

など

会期中のイベント

シンポジウム 10月10日(日)13時から16時半まで 講堂

発表者:福島県立美術館 主任学芸員  坂本 篤史 氏
白鶴美術館 学芸副主任  田林 啓 氏
兵庫県立美術館 学芸員  安永 幸史 氏
当館 学芸部課長     瀧 朝子
当館 学芸部部員     仁方越 洪輝

テーマ

「酒の美術-日本・中国から西洋まで-」

※往復ハガキにて事前申し込み制。

詳しくはこちら

共催:美術史学会
講演会 10月24日(日)
14時・講堂
「天野酒と金剛寺」 天野山金剛寺座主 堀 智真 氏
日曜美術講座 11月7日(日)
14時・講堂
「美術でたどる日本と中国の酒文化」 当館学芸部課長 瀧 朝子
スライドによる
展覧会解説
毎週土曜日 14時から 当館学芸部による

※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、状況によってはシンポジウム、講演会、日曜美術講座、列品解説は変更あるいは人数制限を設ける場合があります。

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