一般 1,100円 高校・大学生 770円 小学・中学生 無料
※20名以上の団体は相当料金の2割引で引率者1名無料
※「障がい者手帳」をお持ちの方とご同伴者1名2割引
★正倉院展ご観覧の方への特典★
第77回 正倉院展(2025年10月25日(土)~11月10日(月) 於:奈良国立博物館)の観覧券(半券可)呈示で、
本展覧会の入館料を2割引きでご購入いただけます。
(1枚につきお一人様1回限り有効、他の割引との併用不可)
舞楽は奈良時代以降、宮中の諸行事や寺社の法会・祭礼において奏された、わが国で最も長い歴史をもつ芸能です。平安時代にその原型が整備され、中世以降には各地に流布して発展を遂げた舞楽ですが、それらを中心的に主導していたのは「三方楽所」と称される、大内(宮中)・南都(興福寺)・天王寺(四天王寺)の舞楽演奏組織でした。こうした楽所やその楽人は、宮中のみならず天野社や嚴島神社をはじめ、近世には江戸や日光へと楽人を派遣し、わが国の舞楽継承に大きな役割を果たしてきたことが知られています。
本展はこうした舞楽の歴史を、舞楽を描いた舞楽図と、舞に用いられる舞楽面によって概観します。特に、古代から近世にいたる各演目の舞楽面の造形を、舞楽が行われてきた「場」や舞楽を主導してきた寺社・楽所との関連の中で読み解きます。
本展覧会を通して、舞楽の発展と広がりを一望し、京都・奈良・大阪を中心に育まれた豊かな芸能文化の精華をご覧いただきます。
展覧会の構成
奈良時代の律令制のもと雅楽寮が整備され、その後平安時代に大内楽所が成立して宮中の奏楽体制が整備されました。その大内楽所での奏楽には、宮中の役人に加え興福寺や東大寺など寺社の楽人が登用されました。また聖徳太子創建の法隆寺や四天王寺では、太子供養のために大規模な舞楽法要が行われ、これに伴って舞楽所用具が整備されています。
南都を中心に伝来する舞楽面は、こうした宮中における雅楽制度の整備と、寺社による舞楽の発展により製作されてきたものです。そしてこれらの舞楽面は、以後の舞楽面の規範となり、中世以降盛んに模刻されて継承されていきます。
応仁の乱の混乱により大きな被害を受けた宮中の舞楽でしたが、天正年間になると、大内・南都に加えて天王寺の楽人が宮中の奏楽に加わるようになり、ここに三方楽所による奏楽体制が整います。また江戸時代になると、江戸城内に紅葉山楽人が、日光東照宮に日光楽人が設置され、幕府主導による舞楽奏楽体制が整えられました。こうした楽人の動向とともに、舞楽面もまた南都の面が模刻され、江戸や日光へと継承されていきました。
三方楽所を構成した楽人は、それぞれの「家」において特定の楽器や舞を家芸として守り、父子相伝の形で代々継承しました。こうした楽家において、由緒ある舞楽面を所持することは、楽家の舞の正統性を証明し、公の楽儀で演奏を行う資格を裏付ける重要な意味をもっていました。舞楽面を継承することは、その正統の舞楽を継承することでもありました。
舞楽の実際の奏楽とは別に、やまと絵の一画題としてそれを絵画化した舞楽図がさかんに製作されました。また中世には、舞楽の曲目ごとに一定の形が定められ、その図像を継承するため、それを一覧にしたいわゆる図譜的な舞楽図が製作されます。こうした舞楽図は、舞楽復興に伴う舞楽図作品の需要の高まりとともに、近世を通じて多数製作された舞楽図屏風へと結実していきます。
| 第一章 【舞楽の成立と発展】 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 重要文化財 | 聖徳太子絵伝 第5・6幅 | 遠江法橋筆 | 鎌倉時代・元亨3年(1323) | 大阪・四天王寺 | 第5幅〔前期〕 第6幅〔後期〕 |
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| 重要文化財 | 桑実寺縁起絵巻 上巻 | 土佐光茂筆 | 室町時代・天文元年(1532) | 滋賀・桑実寺 | 〔後期〕 | |
| 春日権現験記 第七巻 | 江戸時代・文化4年(1807) | 奈良・春日大社 | ||||
| 重要文化財 | 楽所補任 下巻 | 平安時代~鎌倉時代 | 奈良・春日大社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 胡徳楽 | 平安時代 | 奈良・法隆寺 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 石川 | 平安時代 | 奈良・法隆寺 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 皇仁庭 | 平安時代・長久3年(1042) | 奈良・東大寺 | |||
| 舞楽面 貴徳 | 平安時代・長承3年(1134) | 大阪・藤田美術館 | 〔後期〕 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 抜頭 | 平安時代・天養元年(1144) | 奈良・法隆寺 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 採桑老 | 平安時代 | 奈良・手向山八幡宮 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 散手 | 定慶作 | 平安時代・寿永3年(1184) | 奈良・春日大社 | ||
| 重要文化財 | 舞楽面 皇仁庭 | 平安時代・元暦2年(1185) | 奈良・春日大社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 陵王 | 平安時代 | 広島・嚴島神社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 抜頭 | 行明作 | 平安時代・承安3年(1173) | 広島・嚴島神社 | ||
| 重要文化財 | 舞楽面 還城楽 | 平安時代・承安3年(1173) | 広島・嚴島神社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 散手 | 院賢作 | 鎌倉時代・承元元年(1207) | 奈良・東大寺 | ||
| 重要文化財 | 舞楽面 陵王 | 鎌倉時代 | 奈良・氷室神社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 陵王 | 鎌倉時代・正元元年(1259) | 奈良・東大寺 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 胡飲酒 | 鎌倉時代 | 奈良・手向山八幡宮 | |||
| 伊勢市指定有形文化財 | 舞楽面 蘭陵王 | 鎌倉時代 | 三重・神宮徴古館 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 陵王 | 鎌倉時代 | 東京国立博物館 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 皇仁庭 | 鎌倉時代 | 東京国立博物館 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 地久 | 鎌倉時代 | 東京国立博物館 | |||
| 第二章 【三方楽所の成立と近世舞楽の展開】 | ||||||
| 舞楽面 陵王 | 桃山時代 | 大阪・四天王寺 | ||||
| 京都市指定有形文化財 | 勧修寺光豊書状草案 | 桃山時代・慶長15年(1610) | 京都市歴史資料館 | |||
| 舞楽面 散手 | 江戸時代 | 奈良・春日大社 | ||||
| 舞楽楽器之図 | 江戸時代・文化12年(1815) | 東京国立博物館 | ||||
| 舞楽面 陵王 | 天下一越前作 | 江戸時代・寛文9年(1669) | 奈良・春日大社 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 採桑老 | 天下一越前作 | 江戸時代・寛文9年(1669) | 奈良・春日大社 | ||
| 舞楽面 採桑老 | 江戸時代 | 大阪・四天王寺 | ||||
| 第三章 【楽家と舞楽面】 | ||||||
| 重要文化財 | 舞楽面 陵王 | 鎌倉時代 | 大阪・四天王寺 | |||
| 重要文化財 | 舞楽面 納蘇利 | 鎌倉時代 | 大阪・四天王寺 | |||
| 舞楽面 還城楽 | 南北朝時代 | 奈良・春日大社 | ||||
| 舞楽面 胡徳楽 | 室町時代 | 個人 | ||||
| 舞楽面 還城楽(雨面) | 江戸時代 | 奈良・薬師寺 | ||||
| 第四章 【描かれる舞楽―舞楽イメージの継承】 | ||||||
| 信西古楽図 | 江戸時代 | 東京藝術大学 | ||||
| 山形県指定有形文化財 | 舞楽図譜 | 室町時代 | 林家 | |||
| 応永舞楽図巻模本 | 狩野養信模 | 江戸時代・文政3年(1820) | 東京国立博物館 | |||
| 舞楽図巻 | 江戸時代 | 個人 | ||||
| 舞楽粉本 | 狩野養信模 | 江戸時代・天保9年(1838) | 東京国立博物館 | |||
| 舞楽図屏風 | 江戸時代 | 個人 | ||||
など
| 講演会 | 10月26日(日) 午後2時・講堂 |
「江戸時代の雅楽演奏家と舞楽面の伝来」 [定員]当日先着100名(予約不要) |
奈良県文化財課 主査 山田淳平氏 |
|---|---|---|---|
| 日曜美術講座 | 10月12日(日) 午後2時・講堂 |
「南都における舞楽面の展開」 [定員]当日先着100名(予約不要) |
当館学芸部係長 一本崇之 |
| 講座 美術の窓 | 10月19日(日) 午後2時・講堂 |
連続講座「蔦屋重三郎の錦絵出版」 第3回「役者絵…北斎・春英・写楽」 [定員]当日先着100名(予約不要) |
当館館長 浅野秀剛 |
| 特別公演 | 11月2日(日) 午後2時・講堂 |
「天王寺舞楽の雅 ―舞楽 「 観覧料:1,000円 定員80名〔事前申込制〕 |
天王寺楽所 |
| 列品解説 | 毎週土曜日 午後2時から (当館学芸部による) |
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※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。
| ●無料招待デー: 10月31日(金) 大和文華館開館記念日 | |||