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絵画~日本・中国・朝鮮~

雪中帰牧図(せっちゅうきぼくず)

国宝

李迪筆
南宋時代
絹本墨画淡彩・双幅
(各)24.2cm×23.8cm

李迪(?―1174―1199―?)は南宋の孝宗・光宗・寧宗年間に活躍した宮廷画家です。「騎牛幅(右幅)」に描かれる雉子を杖先につけた牧童は、凍えるように背を丸め、淡墨ではかれた画面には、わずかに積もった雪上を歩む牛の足音が静寂のなかに響いています。限定されたモチーフの描写からは、凍てついた空気感までもが伝わってくるかのようで、宋人の自己を見つめる鋭い眼差しまでもが表現されています。
「牽牛幅(左幅)」には同じく「李迪」の隠し落款がありますが、書体も異なり、別筆とされてきました。足利義尚から後藤祐乗へ下賜され、井伊家、益田鈍翁の蔵を経ました。(伝)狩野安信『唐絵手鑑』、(伝)狩野守道による模写(いずれも大和文華館蔵)が伝わり、日本人の宋画理解にも大きな影響を与えました。南宋絵画の到達点を示す傑作の一つです。