大和文華館

コレクション

重要文化財

呂洞賓図
(りょどうひんず)

雪村周継筆
室町時代
紙本墨画・一幅
119.2cm×59.6cm

呂洞賓は道教における仙人の一人で、民衆に愛されたいわばヒーローのような存在です。龍に乗り両手を広げ、はるか上方を見つめる呂洞賓。左手に水瓶、右手には蓋を持ちます。一見すると平板な印象を受けますが、顎に蓄えられた長い髭、衣の裾、帯、臀部の大きなふくらみに気づいた瞬間、絵画空間が動き出します。何れもが全く別々の方向に向かうのです。今まさに龍が成長し、風が四方に吹き荒れる、嵐の中心にいることが分かります。
しっかりした濃墨線によって衣が表現される一方、頭髪や髭は一本一本を丁寧に描写します。水瓶から現れた龍はさらさらと流れるような淡墨で描き、天空に舞う龍には効果的な墨の暈かしが施されます。足下の龍はつぶらな瞳が印象的です。
効果的な墨の暈かしや墨調の変化によって、一連の龍の動きや独特の空間を表現した、雪村の高い画技が味わえる作品です。

絵画(日本・中国・朝鮮)