大和文華館

コレクション

重要文化財

日吉曼荼羅図
(ひえまんだらず)

鎌倉時代
絹本著色・一幅
96.9cm×64.1cm

比叡山延暦寺を守る神々を描いた曼荼羅です。一つ一つの社殿には仏の姿が表されます。当時の人々は神と仏は一体であると考えていました。日本の神々は、人々を救済するために仏が仮の姿で現れたとするのが本地垂迹説です。
描かれた仏の姿から、山王上七社と中七社のうちの三社(聖女社・大行事社・早尾社)の景観が表されていることが分かります。日吉造で緻密に描かれた社殿は真正面から捉えられ、軒先の懸仏まで正確に表されます。祈るために描かれた仏画です。ただし、社格に応じて大きさを変えるなど、一図に再構成された景観が興味深く、神々の使いである愛らしい猿の姿も印象的です。
人々の厚い信仰を背景に、多様に生み出された日吉曼荼羅の中でも、本図は古く、中世の日吉大社の境内を偲ぶことができる貴重な作例です。

絵画(日本・中国・朝鮮)