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文人のまなざし-書画と文房四宝-

2017年8月25日(金)~10月1日(日)
毎週月曜日休館(ただし9月18日<祝>は開館し、翌19日<火>が休館)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
入館料 一般 620円 高校・大学生 410円 小学・中学生 無料

後援:奈良県教育委員会・奈良市教育委員会

賞楓図 張風筆
賞楓図 張風筆

螺鈿花卉文筆
螺鈿花卉文筆

豊かな教養をもって詩書画に親しみ、自らもそれを作る人々―文人は、東アジアにおいては文化の重要な担い手でもありました。彼らは友人との語らいや名勝への旅など、日々の感慨に応じて、墨を磨って筆をとり、その想いを多彩な作品へと昇華させていきました。

文人文化の嚆矢である中国では、早くから書斎の文房具などにも文人の雅趣が反映されました。特に硯・墨・筆・紙は「文房四宝」と呼ばれて重んじられ、文人の洗練された美意識に呼応して、すぐれた素材、意匠の作が多数生み出され、伝えられました。そして中国の成熟した文人文化は、日本と朝鮮にも波及していきます。東晋の陶淵明(365-427)、北宋の蘇軾(1037-1101)などを文人の理想像として共有しながら、各々が中国の文人画様式を取り入れた絵画、書斎道具などを生み出し、東アジアの文人世界は、より多様な広がりをみせるのです。

本展観では、中国、日本、朝鮮における文人の書画と書斎道具を展示します。文人達が愛した秋の季節に、東アジア文人の豊かな精神生活を感じていただければ幸いです。

出陳品 60件
【文房の美-文人の書斎道具-】
五彩荷葉硯 中国・明時代
龍図墨 程君房作 中国・明時代
螺鈿花卉文筆 中国・明時代
青花透彫蛙蓮華算木文角水滴 朝鮮・朝鮮王朝時代
赤絵龍文柏葉形筆洗 奥田頴川作 日本・江戸時代後期
【筆墨の美】
七絶詩 文徴明筆 中国・明時代
賞楓図 張風筆 中国・清時代
墨蘭図 鄭燮筆 中国・清時代
葫芦図 呉俊卿筆 中国・民国時代
【山水の美】
重要文化財 秋塘図 伝趙令穣筆 中国・北宋時代
冬景山水図 陸治筆 中国・明時代
秋林罷釣図 徐枋筆 中国・清時代
澗泉松声図 浦上玉堂筆 日本・江戸時代後期
山水図 「李長孫」落款 朝鮮・朝鮮王朝時代
【文人の日々-書・旅・友-】
聴松図巻 王翬・楊晋合作 中国・清時代
山水図冊 方士庶筆 中国・清時代
春林書屋図 呉春筆 日本・江戸時代後期
冠岳夕嵐図 鄭敾筆 朝鮮・朝鮮王朝時代
ほか
会期中のイベント
特別講演 8月27日(日)
14:00から講堂にて
「中国文人の肖像と文房具―理想の自己を求めて―」 東京大学東洋文化研究所
准教授 塚本麿充氏
日曜美術講座 9月24日(日)
14:00から講堂にて
「故郷を描く-明・清時代蘇州文人を中心に-」 当館学芸員 都甲さやか
美術の窓 9月10日(日)
14:00から講堂にて
「広重画『東海道五拾三次』の刊行年と取材源」 当館館長 浅野秀剛
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて(当館学芸部による)
※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。