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花の美術-季節の彩り-

2017年2月24日(金)~4月9日(日)
毎週月曜日休館(ただし3月20日<祝>は開館し、翌21日<火>が休館)
入館料 一般620円 高校・大学生 410円 小学・中学生 無料

清水裂(明)
清水裂(明)

東洋の美術では、花は古くから絵画に描かれ、工芸品の陶磁器や衣装などの意匠に取り上げられてきました。白居易が友人に向けて詠んだ詩の中に「雪月花時最憶君」(雪月花の時 最も君を憶う)とあるように、身近な自然の中でも、花は季節を感じさせる美しい景物の象徴として挙げられています。花や植物は鑑賞して愛でるだけでなく、季節の移ろいを感じ、また吉祥の意味も読み取ることができます。また、梅と鶴を愛した宋の林和靖や自らを菊に喩えた晋の陶淵明などの文人は、花を愛し、その姿に高潔な人格が重ね合わされました。これらの人々と花の組み合わせもまた画題となり、美術の中にあらわされています。

色絵松竹梅文大壺(江戸)
色絵松竹梅文大壺(江戸)

この展覧会では、絵画や工芸品における花を中心にした植物の表現から、中国・朝鮮半島・日本それぞれにおける様々な花や植物の姿と人々の季節に寄せるまなざしを見ていきます。展覧会を開催する冬から春へ季節が移り変わる時期は、大和文華館を取り囲む文華苑が最も華やかな季節です。香り高い梅に木蓮や枝垂桜が続き、椿、雪柳、連翹、菊桃が彩りを添えます。文華苑の自然の花と展示場の美術作品の花を合わせてお楽しみ下さい。

出陳品 約80件
【中国】

清水裂(明)、仕女図巻(明)、放鶴亭図(清)、赤色硝子双魚文蓮葉形皿(清)、
青白磁貼花牡丹唐草文壺(元)、萠黄地牡丹文金襴手碗景徳鎮窯(明)、
五彩柘榴文角皿 景徳鎮窯(明)、布袋・菊図墨(明)
【朝鮮半島】

辰砂蓮華文八角瓶(朝鮮王朝)、鉄砂葱文壺(朝鮮王朝)、青磁象嵌水禽文細口瓶(高麗)、
芸苑合珍書画冊(朝鮮王朝)
【日本】
国宝 寝覚物語絵巻(平安)
重要文化財 柿本宮曼荼羅図(鎌倉)、黒味銅地銀象嵌藤花鹿文太刀金具(鎌倉)、金銅蓮華形磬(鎌倉)、
蒔絵籬菊文机(室町)

色絵松竹梅文大壺(江戸)、僧正遍昭落馬図(江戸)
など
会期中のイベント
特別講演 4月2日(日)
14:00から講堂にて
「桃山時代を飾る花-小袖裂の世界-」 京都国立博物館 山川曉氏
日曜美術講座 3月12日(日)
14:00から講堂にて
「美術における花の姿・季節の表現」 当館学芸部係長 瀧朝子
文華苑講座 3月19日(日)
14:00から講堂にて
「咲き分けの不思議に魅せられて」

大阪市立大学大学院理学研究科准教授

植松千代美氏

講座 美術の窓 3月26日(日)
14:00から講堂にて
「墨彩色考-『白描の美』によせて」 当館館長 浅野秀剛
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて(当館学芸部による)
※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。