旧佐伯邸
奈良市登美ヶ丘の住宅地の一画、大渕池畔に故
佐伯勇(近畿日本鉄道株式会社名誉会長)の旧邸があり、平成6(1994)年にその敷地内に松伯美術館が開館しました。この美術館に隣接する旧佐伯邸は、昭和を代表する巨匠建築家
村野藤吾が設計した数寄屋建築の手法を取り入れた近代和風住宅で、昭和40(1965)年に建てられました。
村野藤吾が設計した住宅建築として、また村野藤吾ならではの意匠を見ることができる現存する数少ない建築物として、その文化的価値は非常に高く、加えて内部見学可能な唯一の建築物としても貴重です。
通常は一般公開していませんが、邸内にある茶室「伯泉亭」は、茶会やお香会、句会などにご利用いただけます。
また、茶室のほか、洋間、日本間もありますので、展示会、発表会、会合などのユニークべニューとしてもご利用いただけます。
邸内見学をご希望の場合、事前予約によりご見学いただくことができます。
また、美術館開館日の土曜・日曜・祝日に限り、内庭を開放して野点喫茶をご利用いただけます。
ご利用案内
施設使用、邸内見学のご利用にあたっては、事前のお申込みが必要となりますので、松伯美術館までお問い合わせください。
利用時間 |
午前9時から午後4時まで |
利用できない日 |
原則として美術館休館日 |
利用料金 |
1日/20,000円(消費税等含む)
※別途、美術館入場料が人数分必要となります。
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見学時間 |
美術館開館日の午前10時から午後4時まで |
利用できない日 |
美術館休館日 |
見学料金 |
おひとり/500円(大人・小人とも同額)
※別途、美術館入場料が人数分必要となります。
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見学条件 |
見学希望日の10日前までに10名以上の団体・グループでお申込みください。 |
営業時間 |
美術館開館日の土曜・日曜・祝日に限り、
午前11時から午後3時まで(ラストオーダー:午後2時40分)
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営業期間 |
3月〜6月、9月〜12月(1、2、7、8月は休業)
※天候等の事情により中止する場合があります。
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建築家 村野藤吾むらのとうご (1891~1984)
明治24(1891)年、佐賀県生まれ。1920年代から80年代にかけて、大阪を拠点に全国的に活躍した近代日本を代表する建築家である。
建築作品数は少なくとも200以上、その多くはオフィスビルや美術館、銀行、商業施設、大学などの大規模な建築作品が多い。その一方で住宅も数多く手掛けている。日本芸術院賞、藍綬褒章、文化勲章など数多くの賞を受賞。日本建築家協会会長、イギリス王立建築学会名誉会員、アメリカ建築家協会名誉会員。
[主な作品]※現存するもの
広島世界平和記念聖堂、日生劇場、兵庫県立近代美術館、関西大学
佐伯勇さへきいさむ (1903~1989)
明治36(1903)年、愛媛県生まれ。昭和2(1927)年4月に近畿日本鉄道の前身、大阪電気軌道(大軌)に入社。昭和26(1951)年に社長に就任し、21年余り務め、昭和48(1973)年に会長に就任。以後も近鉄グループのトップとして経営を指揮し続け、昭和62(1987)年には代表取締役相談役名誉会長に就任する。
また、実業界にあっても日本民営鉄道協会会長、大阪商工会議所会頭等数多くの要職を歴任した。
近畿日本鉄道と村野藤吾
近鉄は、クライアント(施主)として戦前から戦後にかけて約50年間にわたって継続して村野藤吾に設計を依頼した。その仕事は、本社ビル、鉄道駅、百貨店、ホテル、劇場、映画館など多岐にわたる。