HOME > 展覧会 > 白描の美-図像・歌仙・物語-

白描の美-図像・歌仙・物語-

2017年1月6日(金)~2月19日(日)
毎週月曜日休館(ただし、1月9日〈祝〉は開館し、翌10日〈火〉が休館)
入館料 一般930円 高校・大学生 720円 小学・中学生 無料

重要文化財 隆房卿艶詞絵巻(部分・巻替あり)国立歴史民俗博物館蔵
重要文化財 隆房卿艶詞絵巻
(部分・巻替あり)
国立歴史民俗博物館蔵

墨線を主体にモチーフを描き出す白描は、平安時代後半、様々な仏の姿を表した白描図像に盛んに用いられました。師資相承の中で密教僧の間に伝わった白描図像は、僧侶自身が転写することにより表れた楚々とした素朴な味わいがあります。やがて、図像の集積が進むと、高い画技を持った画僧や専門的な技術を持った絵仏師が携わるものも多くなり、観賞性の高い白描図像が制作されます。白描の持つ純粋で静謐な美しさには、彩色画とは異なる価値が見出され、歌仙や物語を描く技法の一つとしても展開します。

時代不同歌合絵(白描上畳本)蝉丸 個人蔵
時代不同歌合絵
(白描上畳本)蝉丸
個人蔵

本展覧会では、白描の描法が用いられた図像・歌仙絵・物語絵を合わせて取り上げることで、画題による描線や画趣の差異、あるいは共通性を具体的に明らかにし、白描画特有の美意識に迫ります。また、中世の白描図像から幕末のやまと絵作品にまで視野を広げることで、時代による描き手や美意識の違いによって白描の技法がどのように理解され、表現と結びついていくのかを考察したいと思います。著色画や淡彩画とも異なる、白描画の魅力をご紹介します。たおやかな描線の美をお楽しみ下さい。

出陳品 47件
前期:1月6日(金)~1月29日(日) / 後期:1月31日(火)~2月19日(日)
【図像】
重要文化財 高僧図像 平安時代 大東急記念文庫(前期)
重要文化財 十二天図像(珍海本)のうち帝釈天・毘沙門天 鎌倉時代 東京国立博物館(後期)
重要美術品 大随求曼荼羅諸尊等図像 鎌倉時代 奈良国立博物館(後期)
【歌仙】

時代不同歌合絵(白描上畳本)延喜帝 鎌倉時代 個人

時代不同歌合絵 伊勢・後京極良経 鎌倉時代 五島美術館(後期)

時代不同歌合絵 蝉丸 室町時代 徳川美術館(前期)
重要文化財 釈教三十六歌仙絵巻 南北朝時代 東京国立博物館(前期)
【物語】
重要文化財 源氏物語絵詞 鎌倉時代 徳川美術館
重要文化財 隆房卿艶詞絵巻 鎌倉時代 国立歴史民俗博物館
重要文化財 善教房絵詞 鎌倉時代 サントリー美術館

源氏物語絵巻 須磨 室町時代 石山寺

源氏物語画帖 伝住吉具慶筆 江戸時代 根津美術館

竹取物語図 田中訥言筆 江戸時代 個人(前期)
会期中のイベント
シンポジウム 2月19日(日)
11:00から16:30 講堂にて
「白描画再考-日本絵画史におけるその意義-」
講演会 2月5日(日)
14:00から講堂にて
「流麗な墨線で描かれた歌仙絵・物語絵」 徳川美術館学芸部長 四辻秀紀氏
日曜美術講座 1月22日(日)
14:00から講堂にて
「白描の美-図像・歌仙-」 当館学芸員 古川攝一
1月29日(日)
14:00から講堂にて
「白描の美-物語-」 当館学芸員 宮崎もも
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて(当館学芸部による)
※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。