ブックタイトル特別企画展 富岡鉄斎と近代日本の中国趣味
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特別企画展 富岡鉄斎と近代日本の中国趣味
鉄斎の絵画八十九歳の長寿を全うし、最後まで精力的に制作を続けた鉄斎は、質量ともに最晩年のものが最も充実している、希有な画家です。鉄斎の手がけた画題は、山水、花鳥、道釈人物など多岐に渡ります。山水画における、力強い筆線と豊かで自在な墨法、花鳥画の鮮やかな色彩と動きのある構図、道釈人物画に見られる、意志の強さを感じさせつつどこかユーモラスな表情などは、いずれも鉄斎作品の大きな魅力です。その近代的感覚はしばしばルオーやルノアール、セザンヌといった西洋の画家たちと比較され、日本の油彩画家たちからも賞賛を受けました。一方で鉄斎は、自分は画工ではなく儒学者であるということを誇りにしていました。画題は深い学識に基づき、画中には、中国古籍からの引用を含む、含蓄に富んだ長文を書しています。「意味のないものは描かない」、「画よりもまず賛を見よ」といった趣旨の言葉もよく知られています。画題や賛文に見られる中国趣味をふまえて、その表現を楽しむことではじめて、近代を生きた文人画家としての革新性を理解することができるのかもしれません。Ⅰ