大和文華館

コレクション

重要文化財

刺繍五髻文殊菩薩像
(ししゅうごけいもんじゅぼさつぞう)

鎌倉時代
40.2cm×24.8cm

文殊菩薩を刺繍で表した繍仏です。右手に智剣、左手に梵筴を載せた青蓮華を持ち、髻を五つ結わえた五髻文殊菩薩が獅子に乗った姿を表します。聡明な童子の面持ちである菩薩は、胸飾や瓔珞までも精緻に表し、光背や蓮台に見られる微妙な色彩の階調なども彩糸で巧みに表現されています。
一方、咆哮する獅子は振り返り、蓮台を強く踏み締めます。たてがみや尾、足毛の部分には、藍と白の彩糸が立体感や感触を見事に表現します。
同様の図像は鎌倉時代に描かれた仏画にしばしば見られるものですが、本作品は、平繍、繻子繍、纏い繍を基調に運針を巧みに使い分け、まさに絵画のような高い表現効果を生み出しています。

染織