社長メッセージ

コロナ禍からの回復に注力し、グループの持続的な成長と豊かな社会の実現を目指します

近鉄グループホールディングス株式会社代表取締役社長  小倉 敏秀

地域とともに歩んできた近鉄グループ

 近鉄グループは、1910年に大阪と奈良を結ぶ奈良軌道株式会社として創業したことに始まります。高速大量輸送実現のために大阪・奈良間を最短距離で結ぶべく、県境の生駒山のトンネル掘削を百年の大計として決断し、難工事の末1914年に開業しました。以来、路線の伸長や合併により事業を拡大し、鉄道事業は民鉄グループで最長の600キロに迫る路線網を近畿・東海の広域で展開するとともに、沿線の皆さまの生活に深く根ざした生活関連事業を幅広く行っています。

 今日にいたるまで数々の試練がありましたが、先人たちは、進取の精神と挑戦の気概をもって逆境を乗り越え、時代の一歩先を行く価値を提供することで、地域の発展を支えてきました。
 しかし、近年、社会を取り巻く課題はますます深刻化・複雑化しており、事業者が単独でアプローチするだけでは解決が難しくなっています。私たちは公共的な役割の担い手として、地域社会を構成する皆さまと相互に役割を持ち、支え合って取り組み、共生することで課題解決に向かうことが大切だと考えています。
 この先も、当社グループが営む事業については、その価値を社会的・長期的な視点で判断し、最適な形を模索して次代に引き継いでいきます。

「近鉄グループ中期経営計画2024」の策定と実行

 さて、2020年1月以降、コロナ禍の影響は長期間に及び、社会インフラである輸送を基幹事業とする当社グループは、新型コロナウイルス対策に細心の注意を払いつつ、社会的責務を果たし続けてきました。
 しかしながら経営は大変厳しく、2020年度は人々の移動と消費の急激な減少により過去最大の600億円の連結最終損失を計上し、無配の止むなきに至りました。人流をベースにしたB2C事業にポートフォリオが大きく偏っていたことを実感しています。今年度も厳しい状況が続いていますが、あらゆる施策を講じて利益確保に努める所存です。

 当社グループでは、社会環境が大きく変化したことを受け、コロナ禍から回復し、新たな事業展開と飛躍に向かうため「近鉄グループ中期経営計画2024」を2021年5月に策定しました。
 本計画は2024年度までの4ヵ年計画とし、2021年度はウィズコロナ、2022年度以降をアフターコロナと位置づけ、事業の基盤を整えた上で、人々の価値観の多様化や、デジタル化の進展と相まって変容していくライフスタイルに対応すべく、事業活動を進めていきます。
 具体的には、「コスト構造の抜本的見直し」「有利子負債の早期削減」「外部パートナーとの連携強化」「事業ポートフォリオの変革」「DXによる新規事業・サービスの創出」「地域の課題解決を目指したまちづくり」の6つの重点施策を設定し、財務体質の改善、リスク耐性の強化、そして収益力の強化を目指して鋭意推進しています。
 本経営計画を着実に実行し、次の飛躍へつなげていきます。

サステナビリティ方針の策定

 足元ではコロナ禍からの回復に注力する中、私たちの事業の意義をあらためて明確にするべく、近鉄グループのサステナビリティ方針を策定しました。

近鉄グループサステナビリティ方針

近鉄グループは、
様々な人々との共創を通じて新たな価値を創出し、
持続的な成長を目指すとともに、
次代につなぐ豊かな社会の実現に貢献します。

 「事業を通じて地域の発展と幸福に寄与する」ことが当社グループの変わることのない役割です。あらゆる生活シーンにかかわる私たちの事業そのものが、サステナブルな社会に貢献するSDGs 活動であり、当社グループの持続的な成長と豊かな社会の実現は車の両輪として支え合います。

 鉄道をはじめとする公共交通は社会生活の基盤です。公共交通はどなたでもご利用いただくことができ、環境親和性にも優れています。駅を中心にまちづくりを進め、都心の駅には様々な生活関連施設を、郊外の駅周辺には快適な居住環境を整えています。また、歴史と風光明媚な自然にあふれた沿線で心豊かな観光を楽しんでいただけます。コロナ禍で変容する社会にも柔軟に対応し、事業機会をつかむとともに、この先も豊かな社会の実現に貢献していきます。

 サステナビリティ方針は、こうした私たちの事業活動の意義を端的に示すものです。
 本方針を実践するため、様々な社会課題を検討した上で、当社グループの事業の強みを活かして長期的に取り組む、サステナビリティの重要テーマを7つ設定しました。

 まず、事業活動を通じてサステナブルな社会に向けて直接的に価値を創出するテーマとして「価値観の変化を先取りした、くらしの創造」「ネットワークの充実による、元気なまちづくり」「人と地域を豊かにする観光の提供」を定めました。

 次に、環境への取組みとして「脱炭素・循環型社会実現への貢献」を設定しました。各事業で省エネ・省資源を進めるとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の枠組みに沿って情報開示を進めます。
 また、鉄道を中心とするグループとして「安全」を最優先するとともに、皆さまにくらしの「安心」を提供するため、「安全の確保と安心の追求」を掲げました。

 最後に、事業活動の前提となる企業の基盤を固めるものとして「ガバナンスとリスクマネジメントの強化」「多様な人財の育成と活躍」を定めました。グループ各社が透明度が高く公正な経営体制を構築し、シナジーを発揮して社会に価値を提供し続けることを目指します。そして、企業の基盤はそこで働く「人財」です。お客様に多様な価値を提供するためにも、多様な人財が集い、成長する企業グループを目指します。

近鉄グループが進める価値創造

 本ホームページにおいて、価値創造プロセス図をお示ししました。
 近鉄グループ経営理念「『いつも』を支え、『いつも以上』を創ります。」のもとに定めた、近鉄グループサステナビリティ方針に基づいて事業活動を推進します。これによって、持続的な成長を目指すとともに、「共創による豊かな社会」の実現に貢献します。

 ここまで述べましたとおり、私たちは、コロナ禍の厳しい環境を乗り越え、ピンチをチャンスに変えて持続的な成長を目指します。厳しい状況下にあっても、ステークホルダーの皆さまにいかに満足、納得いただけるかを最優先して、サステナブルな企業づくりを実践し、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。


2021年11月

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