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生誕180年記念 鉄斎 - 大和文華館コレクション -

2016年7月8日(金)~8月21日(日)
月曜日休館、ただし、7月18日〈祝〉は開館し、翌19日(火)が休館。
入館料 一般620円 高校・大学生410円 小学・中学生無料

伊勢海老図 富岡鉄斎筆
伊勢海老図 富岡鉄斎筆

鮮魚図 富岡鉄斎筆
鮮魚図 富岡鉄斎筆

今年は、近代日本を代表する文人画家・富岡鉄斎(1836-1924)の生誕180年にあたります。大和文華館には60点ほどの鉄斎作品コレクションがありますが、その中核となっているのが、愛媛・松山市三津浜の近藤家旧蔵品です。鉄斎と近藤家は40余年にわたる長い交流があります。近藤家は折りにふれ、鉄斎に地元の海産物を贈り、鉄斎はその返礼として作品を描いて贈りました。

鉄斎の妻ハル子は愛媛の出身で、その縁もあってか、鉄斎は明治6年に愛媛を旅し、三津浜の旧家・実業家の石崎家を訪れています。近藤家当主・文太郎氏は石崎家の番頭を務めており、鉄斎と知り合ったのはこの頃でしょう。その後も何度か石崎家を訪問する中で、鉄斎は番頭として諸事実務の労をとった近藤文太郎氏の律儀な人柄を信頼するようになり、親交を深めていったと考えられます。例年、近藤家からは歳暮や中元にことよせて、名産の鯛や海老、竹輪が届けられました。鉄斎は受け取ると自筆の礼状をしたため、時には贈り物のスケッチを添えて近藤家に送っています。明治37年の「伊勢海老図」、大正4年の「鮮魚図」などがそのような作品です。本展では、50歳から87歳にかけて近藤家に贈られた作品を出陳します。展示を通じて、鉄斎の画歴の変遷をたどり、その篤実な人柄を感じとっていただければ幸いです。

出陳品 約40件
【花卉雑画類】
車海老図 (明治18年・50歳)
松鶴図 (明治45年・77歳)
魚藻図 (大正3年・79歳)
歳朝図 (大正11年・87歳)
【道釈人物画】
福神鯛釣図 (明治29年・61歳)
群仙祝寿図 (明治29年・61歳)
観音菩薩図 (明治39年・71歳)
出山釈迦図 (明治44年・76歳)
【山水画】
観瀑図 (明治43年・75歳)
山中読書図 (大正2年・78歳)
山荘風雨図 (大正9年・85歳)
層巒仙閣図 (大正11年・87歳)
【書蹟】
宣戦詔勅書 (明治37年・69歳)
一行書
近藤家宛書簡
ほか
会期中のイベント
特別講演 8月14日(日)
14:00から講堂にて
「観峰館における富岡鉄斎展、その成果の紹介
  ―近江商人のコレクションを中心に―」

公益財団法人 日本習字教育財団
観峰館学芸員

瀨川敬也氏

日曜美術講座 8月7日(日)
14:00から講堂にて
「鉄斎の中国へのまなざし
  ―近藤家旧蔵品を中心に―」
当館学芸員 植松瑞希
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて (当館学芸部による)
華コンサート 7月16日(土)
13:00から講堂にて
※要整理券
上方落語のおたのしみ「盛夏を呼ぶ百日紅」 桂文我氏
文華苑講座 7月31日(日)
14:00から講堂にて
「奈良の森の見どころを訪ねる
     -春日山から大台ケ原大峯まで」

奈良教育大学教授

松井淳氏

※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。