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水にまつわる美術

2015年5月15日(金)~6月28日(日)
月曜日休館
入館料 一般620円 高校・大学生410円 小学・中学生 無料

重美 阿国歌舞伎草紙(念仏踊)

重文 源氏物語浮舟帖
日本・鎌倉時代

伊勢物語八橋図 岡田為恭筆

青花魚藻文輪花盃
中国・明時代

大らかな水の流れや水辺の風景に安らぎを感じ、また水面に姿を映して思いを馳せるなど、人々にとって水は潤いを与える以上に様々な意味合いをもって身近な存在であったといえます。

水は万物を生み出す生命の源であり、古来、水は神聖なものとされて穢れを祓い、清めるためにも用いられました。また、龍や蛇は水との関わりが強く、中国において水のシンボルといえる龍は水より生まれ、大海に棲み、天に昇るとされ、殷時代から造形化されています。大海の中に聳える須弥山や崑崙山、阿弥陀浄土の蓮池への蓮華化生、観音菩薩の住処である補陀洛迦山などの世界観及び浄土信仰においても、水(大海・河・蓮池など)は重要な役割を果たしています。さらに、状態によって様々に姿を変える水によって人々は季節や人の心情を感じ取り、雨や雪、水の流れに想いを託して歌や物語を紡いできました。

このような水に対する思想や感じ方により、中国や朝鮮半島、日本の絵画や工芸品には水や波、水中の動植物があらわされた画題や文様が数多く、形の捉えにくい水は様々に工夫を凝らして表現されてきました。 

本展覧会では「神聖な水」「水の恵み」「四季の中で」「水をめぐる物語」の四つのテーマから水の表現についてアプローチし、東アジアの絵画や工芸にあらわされた人々の水へ託した想いを見つめます。

出陳品 約40件
【神聖な水】
  白磁蟠龍博山炉   中国 隋時代
重要文化財 青磁九龍浄瓶   朝鮮 高麗時代 
※5月15日~5月31日まで展示
  楊柳観音図   朝鮮 高麗時代
重要文化財 呂洞賓図   日本 室町時代
  竹生島祭礼図   日本 江戸時代
【水の恵み】

螺鈿水禽文輪花盆   中国 明時代
  赤色硝子双魚文蓮葉形皿   中国 清時代
  銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶   朝鮮 高麗時代
  織部沢瀉文硯   日本 桃山時代
  魚藻図 富岡鉄斎筆 日本 大正時代
【四季の中で】
重要文化財 秋塘図 伝趙令穣筆 中国 北宋時代
  冠岳夕嵐図 鄭敾筆 朝鮮 朝鮮王朝時代
重要文化財 染付山水文大皿   日本 江戸時代
【水をめぐる物語】
重要文化財 源氏物語浮舟帖   日本 鎌倉時代
  伊勢物語図屏風   日本 江戸時代
  彩漆絵波兎文盆   日本 江戸時代
会期中のイベント
特別講演 6月14日(日)
14:00から講堂にて
「地球は水の惑星」 京都造形芸術大学学長 尾池和夫氏
日曜美術講座 5月31日(日)
14:00から講堂にて
「東アジアにおける水の表現」 当館学芸員 瀧朝子
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて (当館学芸部による)
※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。