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特別展 建国1100年 高麗―金属工芸の輝きと信仰― タイトル画像

2018年10月6日(土)~11月11日(日)
月曜日休館(ただし、10月8日〈月・祝〉は開館し、翌9日〈火〉は休館)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
入館料 一般 930円 高校・大学生 720円 小学・中学生 無料
※20名以上の団体は相当料金の2割引で引率者1名無料
※「障がい者手帳」をお持ちの方とご同伴者1名2割引
共催:毎日新聞社 助成:芸術文化振興基金 後援:株式会社 近商ストア
銀製鍍金観音菩薩・毘沙門天像小仏龕 東京国立博物館(Image:TNM Image Archives)
銀製鍍金観音菩薩・毘沙門天像小仏龕
東京国立博物館
(Image:TNM Image Archives)


高麗(918―1392年)は、朝鮮半島の歴史の中でも文化・美術において成熟した時代といえます。中国・北宋時代に、徐兢は使節団の一人として高麗に赴き、首都開城に滞在した際の見聞や自らの感想を記した『宣和奉使高麗図経』を帰国後に皇帝に上奏しています。その中では、高麗の螺鈿漆器や青磁が「極精巧」「細密可貴」「色沢尤佳」と称され、技術の高さと美しさが認められていたことがうかがえます。そして一千年以上経た今なお、仏教への篤い信仰を背景に生み出された仏画、金属工芸、螺鈿漆器、「翡色」と謳われた清らかな色合いの青磁に見られる精緻な造形は、人々の心を惹きつける輝きを放っています。

朝鮮半島での金属工芸の歴史の中で、仏教を篤く崇拝した統一新羅とともに、高麗時代には金属を用いた仏教文物が盛んに制作されます。その制作背景には国の安泰への願いや、個人の信仰など切実な祈りが籠められています。これらには金や銀など貴重な材質が豊かに用いられて厳かかつ煌びやかに荘厳され、王侯貴族を中心として花開いた文化を鮮やかに反映しています。

高麗唐草文鏡 京都国立博物館
高麗唐草文鏡
京都国立博物館

本展覧会は、仏龕や舎利容器などの仏具、梵鐘、匙や箸などの飲食器、装身具、鏡など、信仰や生活、装飾といった多様な用途を反映する金属工芸作品に焦点をあて、高麗時代の製作技術や美意識、文化に迫ろうとするものです。近年の韓国における新たな発見や研究を踏まえながら、今なお輝きを放つ高麗の金属工芸が持つ魅力に改めて眼を向けます。

出陳品 約92件
【第一章 花開く高麗の文化】
石造如来坐像大和文華館
大方広仏華厳経 巻第四徳川美術館
【第二章 信仰の美―舎利容器の系譜】
重要美術品金銅舎利容器統一新羅時代東京国立博物館
金銅八角舎利容器「至治三年」銘高麗美術館
【第三章 信仰の美―高麗の荘厳具・梵鐘】
銀製鍍金観音菩薩・毘沙門天像小仏龕東京国立博物館
重要文化財梵鐘「峻豊四年」銘広島・照蓮寺
重要文化財梵鐘「太平十二年」銘滋賀・園城寺
【第四章 装いの美―装身具・鏡・飲食器】
鉄地金銀象嵌鏡架愛知県美術館(木村定三コレクション)
高麗唐草文鏡京都国立博物館
など
会期中のイベント
オープニングイベント 10月6日(土)
10:00から11:00 講堂にて
※当日先着順
コンサート 韓国民謡・伝統舞踊 金姫玉氏・黄金福氏
「高麗」展見どころ解説   当館学芸部係長 瀧朝子
講演会 10月28日(日)
14:00から講堂にて
「韓国で新たに出土した金工品の現況と特徴」 韓国・東国大学校美術史学科教授
崔應天氏
日曜美術講座 10月21日(日)
14:00から講堂にて
「高麗の祈りの美」 当館学芸部係長
瀧朝子
列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて(当館学芸部による)
※何れも参加は無料ですが、入館料が必要です。