トップが語る事業展望

近鉄グループ中核会社のトップが語る事業展望

近畿日本鉄道㈱ 代表取締役社長 和田林 道宜

安全快適な輸送を通じて沿線の発展に寄与近畿日本鉄道㈱ 代表取締役社長 和田林 道宜

2015年4月1日、当社は鉄道事業とレジャー事業を営む事業会社として新たな歩みを始め、約1年半が経過しました。
この間、2016年5月には主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)が当社沿線の賢島で開催され、全社員が一丸となって駅、列車、鉄道施設などの警戒に取組んだ結果、会議期間中においても安全にお客様をお運びすることができました。今回の経験を糧として、今後も安全輸送に努めてまいります。

公共輸送機関である鉄道事業に求められる品質は、正確・快適・迅速・廉価と様々ですが、お客様を目的地まで安全にお運びすることが、何よりも優先される品質であると当社は考えています。ルールや手順といった守るべきものはしっかりと守り、指差確認喚呼(※)を行ったうえで、駅・運転・車両・施設・本社のすべての鉄道従事員が、それぞれの責務を果たしつつ、みんなで協力して輸送の安全を確保していく。そして、さらに安全な鉄道を目指して日々改善を重ねていくことが、お客様の信頼に繋がるものと信じています。

一方、営業面では、沿線の自治体や観光施設と連携し、国内外のお客様を増やさなければならないと思っています。2016年9月に、観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」を南大阪線・吉野線に導入しました。「しまかぜ」、「つどい」とともに沿線の活性化を図ってまいります。

近鉄沿線に住みたい、訪れたいというお客様が増えるように、安全・快適な鉄道輸送を通じて沿線の発展に寄与することが、当社の変わらない使命です。

(※)「指差確認喚呼(しさかくにんかんこ)」とは、指で差し示し、発声しながら安全を確認する動作。視線と意識を向け、一つ一つ丁寧に安全を確かめることを、駅係員、乗務員および鉄道施設の保守・管理を担当する者に徹底的に訓練し、身に着けさせています。

近鉄不動産㈱ 代表取締役社長 赤坂 秀則

事業領域の拡大を図り総合デベロッパーとして飛躍近鉄不動産㈱ 代表取締役社長 赤坂 秀則

当社は、2015年4月より従来からのマンション・戸建分譲、仲介・リフォーム事業に加え、オフィスビルや商業施設を含む賃貸事業等を承継し、総合デベロッパーとして新たなスタートを切りました。
新近鉄不動産としての初年度は、賃貸部門は事業承継により増収増益となり、分譲事業や仲介・リフォーム事業も概ね好調に推移しました。
主な取組みとして、まず、経営戦略の一つに掲げる「首都圏での事業拡大」の第一歩として、東京駅至近の京橋地区でオフィスビルを取得しました。また、あべのハルカス開業後賑わいが増す天王寺エリアで、2015年10月に「てんしば」をリニューアルオープンし、新スポットとして脚光を浴びているほか、訪日外国人客の来場を促す「ゲストハウス」の建設も進めております。このほか、賃貸レジデンス事業の第一弾として「K-TERRACE学研奈良登美ヶ丘」をオープンさせるなど、総合デベロッパーとして、事業領域を広げながら所定の利益水準を確保し、順調な滑り出しとなりました。

今後は、近鉄グループの収益セクターとしての一翼を担うべく、関西圏、東海圏、首都圏の3大都市圏を中心に積極的に事業を展開し、事業規模の拡大と安定収益の確保を両立させていきたいと考えています。
具体的には、首都圏を中心とする新規ビルの取得やマンション事業の拡大、博多都ホテルをはじめとする既存物件の建替や再開発を推進します。また、ノンアセット事業である仲介事業やリフォーム事業の強化として、リノベーション事業や法人仲介の強化等にも取り組むほか、新規事業についても研究を重ね、収益の拡大・安定化のために、積極的に参入していきたいと考えています。

㈱近鉄・都ホテルズ 代表取締役社長 二村 隆

伊勢志摩地域への誘客とブランド価値の再構築㈱近鉄・都ホテルズ 代表取締役社長 二村 隆

伊勢志摩地域の活性化は、当社のみならず、近鉄グループ全体の課題でもあります。このたび志摩観光ホテルで伊勢志摩サミットが開催されたことにより、国際的認知度が格段に向上いたしました。志摩観光ホテルは、サミット開催を契機に、多額のリニューアル投資を行い、国内外の多くのお客様をお迎えするにふさわしい国際的な高級リゾートホテルに生まれ変わりました。今後、滞在型国際高級リゾートへと変貌をとげる伊勢志摩地域を代表するホテルとして、地元の皆様、周辺施設の皆様とともに地域の発展に向け取り組んでまいります。

次に、訪日外国人客の誘致ですが、当社では、国内マーケットのみならず、訪日外国人客も重要なマーケットであると考え、受け入れの強化および快適な滞在を提供するための様々な施策を進めてまいりました。中国、台湾、香港、韓国を中心とした東アジアだけでなく、東南アジアや欧米にも新たな商圏を開拓すべく、海外の宿泊予約サイトの活用や旅行代理店を中心とした海外への営業活動を強化いたします。また、一部のホテルですでに取得しているハラール認証は、ムスリムのお客様の有効な誘致要因であり、今後も取得を進めてまいります。

また、こうして海外からの注目度も高まる機会に「都ホテル」が提供するブランド価値についても、お客様のご期待に沿えるよう見直していきたいと思います。我々が提供していきたいと考える、また、お客様が期待されている「都ホテルのサービス」とは何かを改めて見直し、各ホテルの運営に反映させていきたいと考えております。お客様にこれまで以上にご満足頂けるよう、サービスの質や内容の向上に努め、事業価値を高めてまいります。

㈱近鉄リテーリング 代表取締役社長 中井 潔

事業基盤の強化と感動を提供できるQSCの実践㈱近鉄リテーリング 代表取締役社長 中井 潔

当社は近鉄の駅ナカビジネスを担っています。日々、鉄道を利用されるお客様のニーズを捉え、お客様の求めておられる価値ある商品やサービスをスピーディかつタイムリーに提供していくことが使命であると考えています。

近鉄の駅ナカ事業において新規開発できるスペースがかなり限られてきており、駅ナカ事業で培ったビジネスモデルを駆使して、駅ソトへの挑戦を積極化していかねばなりません。当面は主力事業であるファミリーマート事業での持続的な業容拡大を図りつつ、カフェ事業、女性雑貨事業、レストラン事業などの直営事業において、外部進出を推進できる体制の整備や、高速道路のサービスエリアでの新たな事業所の獲得も視野に入れています。また、より一層の飛躍のためにも、事業基盤の強化に資するM&Aにも注力していきたいと考えています。

当社では、流通事業において非常に重要なキーワードである「QSC(Q:クオリティ=品質、S:サービス、C:クリンリネス=清潔さ)」の向上を常に目標として掲げています。いかにご利用のお客様に快適にお買い物していただけるか、さらに、期待を上回るサービス、感動を提供して再びご来店いただくことができるか、それを大きく左右するのがQSCです。これを現場にしっかり浸透させていく必要があると考えています。

当社の事業の担い手、すなわち、お客様に接する現場スタッフのスキルアップを実践しない限り、QSCの向上は成し得ません。経営陣からパートタイマー、社員まで一体となってQSCの向上に向けて、モチベーションアップとスキルアップを絶え間なく継続できるよう取り組んでまいります。

KNT-CTホールディングス㈱ 代表取締役社長 戸川 和良

質の高い旅行商品へのシフトと改革KNT-CTホールディングス㈱ 代表取締役社長 戸川 和良

当社は近畿日本ツーリストのブランド力、広範な販売ネットワークとクラブツーリズムの優れたマーケティング力、商品企画力を掛け合わせた「統合シナジー」の最大化を図りつつ、2016年2月に策定した2018年までの中期経営計画に基づく各種の施策を推し進めていきます。

近畿日本ツーリスト㈱では、少子化による教育旅行市場の縮小や訪日旅行客の急増、観光による地方創生需要の増大など、団体旅行事業を取り巻く環境の変化に対応するため、成長分野である訪日旅行事業、スポーツ事業および地域誘客交流事業に経営資源をシフトする事業構造改革を推進していきます。

近畿日本ツーリスト個人旅行㈱では、テーマ旅行をはじめとする高品質・高付加価値商品の充実や、専門性の高い完全予約制の店舗のオープン。来店されたお客さまに、おすすめの方面別・テーマ別のモデルコースを素早く、的確にお伝えできる検索システムの利用を開始しました。インターネット予約サービス「e宿」は、契約施設数1万軒を達成し、さらなる拡充に注力しています。

クラブツーリズム㈱では、ツアーの目的を明確にした「テーマ型商品」に注力し、他社との差別化を図るとともに、さらなるリピート率向上のため、細部にこだわった商品造成に努めております。また高齢化社会に向けてのバリアフリー旅行の展開を推し進めていきます。

㈱近鉄百貨店 代表取締役社長執行役員 高松 啓二

地域中核店のリ・モデルと収益基盤の多様化㈱近鉄百貨店 代表取締役社長執行役員 高松 啓二

百貨店の国内市場の縮小と、EC(電子商取引)も含めた小売業態間の競争激化、さらに海外の政治経済と為替環境の変動に起因する、インバウンド市場の質・量両面での変化等、百貨店を取り巻く事業環境は変動の真只中にあります。

近鉄百貨店グループの2015年度は、2015年4月に公表した3カ年の中期経営計画の初年度として、売上高は未達に終わったものの、推進した事業改革、業務改革の成果もあり、連結ベースの各利益段階では、目標数値をほぼ達成できました。中期経営計画2年目の2016年度は、構造改革の動きを更に加速させ、その成果を売り上げ面でも実現させていきます。

百貨店事業では、あべのハルカス近鉄本店での収益力、集客力強化を図るため、いくつかの大型専門店の導入や、「カルティエ」などの特選洋品売場を開設し、また食品をはじめとした各売場での新店舗、新商品の導入を続けます。

地域中核店でも、上本町店の「ハロー赤ちゃん」、奈良店の「東急ハンズ」のように魅力のある大型専門店を開業し続けると共に、百貨店の良さをお客様に再認識していただけるように、食品売場や化粧品売場等を改善していきます。

2016年度は、新たな事業分野への参入として、フランチャイズシステムを利用した直営事業に乗り出しました。4月の奈良店での「東急ハンズ」をはじめ、6月には四日市店で「ブロッドン」という新ブランドを立ち上げ、パンの製造販売に乗り出しました。この秋には食品売場を中心に更なる直営事業を展開し、収益源の多様化を図ってまいります。

また、百貨店のグループ会社の業容伸長にも力を入れ、事業領域をいっそう拡大・発展させるため、積極果敢に挑戦していくつもりです。

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